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第32話

幼馴染



〈…あなた!!〉



ソンウだった。

ソンウは私の目の前に現れると

勢いよく頭を下げた。



〈ごめん。守るとか言っといて、守れなくて…俺、幼馴染失格だよな〉



ははっと笑って言ったソンウは

どことなく悲しい顔をしていた。

そんな顔見逃せるわけなくて。



「私、今ソンウが来てくれて凄く嬉しいっ…」

〈そんな事ほんとに思ってる?〉



ソンウは私に向かってそう言った。

ちょっと傷ついて、何にも言い返せなかった。

その時。



『幼馴染を守ることが出来なくても、幼馴染失格にはならないと俺は思うよ』



ジョングク先生が言った。



『でも、幼馴染の言ってること信じられない幼馴染は幼馴染じゃないんじゃない?』



その言葉にソンウはハッとした。



『少なくとも俺はそう思うけど』



先生の言葉は核心をついていたように思う。

ソンウは私に向き返った。



〈ごめん。なんか俺ほんと駄目みたいだ…〉

「ごめんごめんうるさいよ」



気が付くと言い返していた。



「ソンウは私に沢山してくれたよ?私の嬉しい時には一緒に喜んでくれて、私の辛い時には相談に乗ってくれて、助けてくれて…いっぱいソンウから沢山のものを貰ったよ。ありがとう!」

〈え…〉

「でも、こんなごめんばっかりのソンウじゃ嫌だ。私は今までの明るくて無駄にモテて、一言多くて、でもちゃんと私のこと分かってくれるソンウが幼馴染で良かったの!」

〈…〉

「だから、また一緒に笑おうよ」



精一杯の私の気持ち。

ソンウに届いただろうか。



〈あなた、ありがとう。じゃあこれからもからかったり、いじったり、あなたに沢山ちょっかい出す面倒臭い奴だけどいいか?〉

「もっちろん!それでこそソンウだよ!」



ソンウが少し笑った。

また元に戻れた気がした。

あの頃の二人に。



〈じゃあ、俺はもう邪魔しちゃいけないんで、ここで失礼しますね〉

「え?何で?ねぇ!ラーメン食べようよ!」

〈ラーメンくらいいつでも付き合ってやるからよ!今はもっとあなたには大切な事があるだろ?〉

「え?」

〈今は人の事なんて考えなくていい。自分の幸せになる道を考えたらいい〉

「??」

〈じゃあな!俺はここで!〉



そう言ってソンウは玄関の扉に向かっていった。

その時、ソンウが振り向いて



〈ジョングク先生!ありがとうございました!〉



と言って先生にお礼をした。

ジョングク先生は満更でもない顔で



『お前、最高だったぜ。かっこいいよ』



とソンウに向かって言った。

ソンウはその言葉を聞くと、にこっとして

この家を後にした。












そして、この空間にいるのは

私とジョングク先生の二人だけ。