第34話

Epilogue
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2018/08/19 12:40








拝啓

元気にしてますか?ジョングク先生。

私は大学生活を楽しんでいます。

教育学部に入って、先生の勉強をしています。

ジョングク先生みたいな人気な先生には

私はなれないと思うけど

ジョングク先生よりも

分かりやすい先生になってみせます!

あと、ジョングク先生みたいな

生徒の事を考えていないようで

ちゃんと考える先生にも憧れはあります笑

とにかく、先生になれるように頑張ります。

ジョングク先生はお仕事頑張ってますか?

アメリカは暑さは大丈夫ですか?

こっちは異常なほど暑いです。

先生の事だからお仕事なんか何でも簡単に

ぱぱっとこなしちゃうんだろうな〜

先生と会えないのは寂しいけれど

先生もアメリカン美女に誘惑されないで

しっかりお仕事頑張って下さいね。



2018年8月19日 パクあなた


チョンジョングク先生へ










ジョングク先生は

私とジョングク先生が付き合った

そのわずか1ヵ月後に

アメリカの本社へと仕事で旅立ち

先生の職業を辞めた。

そこからずっと遠距離で

私はもう大学1年生の夏を過ごしていた。

私の夢は、高校の教師になること。

ジョングク先生の背中を追って

私も高校の教師になろうと思ったのが

高校3年生の夏休み頃。

それからここまで来た。

遠距離でも連絡先は交換したから

手紙なんか書かなくてもメールとか電話とかで

連絡を取り合えばいいし

もちろんそうしているんだけど

手紙って、気持ちがこもっているが分かるから

何となく手紙が書きたくなった。









ピンポーン



インターホンがなった。



「はーい」

〈俺ー〉

「はいよー」





ガチャッ



〈まじ、暑い溶ける〉



そう言って押しかけてきたのはソンウ。



「何しに来たの?」

〈ん?家のクーラー壊れたから〉

「は?何それ。セジョンちゃんの家でも行けば?」

〈お前ん家の方が近い〉



ソンウはこの前、大学で知り合った女の子と

めでたくお付き合いをし始めた。

相手の女の子の名前はミンセジョンちゃん。

まあソンウには勿体ないほどの美人さんです。

私も同じ大学でセジョンちゃんと仲がいい。

でも私の家の方が近いからって

押しかけてこないでほしい。

って、早速寝転んでるし。



〈ん?何これ〉

「ん?あーーー!!!!!」



ソンウが手に取ったのは

私がジョングク先生宛に書いた手紙。



「見ないで、返して!!」

〈へえー、お前こんなん書くんだ〉

「あーもう…」



取り返そうとしてもヒョイっと避けられて

私の運動神経の無さに怒りたい。



〈お前、大丈夫なの?〉

「え?」

〈だって、こんな長い間遠距離してるんだろ?不安になったりとかしないの?〉

「それは…」



ソンウの言う通り、私たちはとても長い期間

遠距離恋愛を続けている。

そりゃ不安だってもちろんある。

でも



「私、ジョングク先生の事、信じてるから」



結局はここにたどり着くんだ。



〈お前らしいな〉

「そう?」

〈昔っから一度決めた事は曲げない性格だもんな〉

「あー、そうだね」

〈中学生の時、文化祭で披露するクラスの劇の道具係だったけど、前日の準備時間まで仕上がらなかった時、みんなもういいよって言ってたのに、お前だけ放課後残ってずっとやってたもんな。俺も付き合わされて、先生に一緒に怒られたけど〉

「それは、ごめんね」

〈でも俺は嫌いじゃないよそういうとこ〉

「私もソンウがセジョンちゃんの話になるとめちゃめちゃ青春男子になるとこ嫌いじゃないよ」

〈殺されてえのお前〉



何て、普通の会話もくだらないことも

話せるソンウはやっぱり1番の幼馴染だ。



〈で、いつ送るの?〉

「え?」

〈手紙〉

「あー、今日送ろうと思ってて」

〈それなら早く行ってこいよ〉

「え?でも、私行ったらクーラー使えないよ?」

〈問題ないよ。セジョンの家行くから〉



そう言ったソンウは少し顔が赤くて



「楽しんできて」

〈うざ。鍵閉めとくから早く行ってこいよ〉

「ふふっ、行ってきます!」



私はそう言うと郵便局へ向かった。









プルルルル、プルルルル



スマホから電話の着信を伝える音が鳴る。

画面を見てみると、ジョングク先生の文字。



「もしもし、先生?」

“あー、あなた?今どこ?”



もしここで郵便局前にいるって言ったら

手紙出すのバレちゃうから



「あー、家にいます」



少し嘘をついた。



「てか、先生。そっちは時差で夜中なんじゃないですか?大丈夫なんですか?」

“は?時差?”

「とぼけないでください。もう、嘘ばっかり」

『嘘ばっかりなのはどっちかな?』



はっきり聞こえた。

あの人の声。



「ジョングク先生!!」



振り向いた先にはジョングク先生が立っていた。

嬉しくて思わず抱きつくと



『おかえりが先じゃない?』

「おかえりなさい!」



ジョングク先生が今帰ってくるなんて

思ってもなかった。



「でも、先生いきなりすぎですよ。連絡くらい入れてくれても」

『あー、悪い。サプライズで驚かせようと思って』

「十分驚いてますよ」

『てか、それより、手に持ってる封筒はなに?』



すっかり忘れていた。

なんて言おう…



『見た感じ、“チョンジョングク様へ”って文字が見えるんだけどなー?』

「あっ、これは、えっと、」

『俺へのやつ?』

「…はい」

『読ませてよ。頂戴?』

「…はい、どうぞ…」



まさか目の前で読まれるとは思ってもいなくて

内容を訂正したい。恥ずかしい。



『へー、アメリカン美女に惑わされないでか…』

「え、まさか…」

『めっちゃ美人いるし、スタイルいいし、胸もある美女と俺仕事してたよ』

「うそ…」

『あー、めっちゃ綺麗だったなー』

「最低です先生」

『うそうそ、冗談だよ』

「もう!」

『お前以外の女に興味無いから』

「……」



また先生に遊ばれてる。

これは大学生になっても変わらないんだな。



『また、黙り込むじゃん』

「だって…」



ぎゅっ




「え」

『こうしたらさすがに分かるよね』



夏のこの暑さと、先生の温もりと、私の火照りで

もう暑くて仕方ない。

はずなのに、何故か心地いい。



「先生、好きです」

『ん。俺も』



ジョングク先生にはやっぱり適わない。



『言っとくけど、ここ田舎でも普通に道だからね』

「あ!!!」



またジョングク先生は笑う。

でも、この笑顔が凄く恋しくて、愛おしくて



『帰ろっか』

「はい!」



手を繋いで歩く道はいつもと違って見えた。



「あ!!!」

『なに?どうしたの?』

「鍵、ソンウに渡したままだ…」

『は?』

「しかもソンウ今彼女の家だし…取りに行きましょ!」

『いや、やめとこ』

「なんで?」

『あいつの恋、邪魔しちゃ駄目でしょ』

「あ、そっか」

『俺ん家来なよ』

「そうさせてもらいます」
























先生×生徒

この数式の答えは導き出せるでしょうか?


答え

普通に解いては、答えは導けません。

ですが

この数式の間に、愛という

数字でも記号でも

表すことが出来ないものを入れると

その数式の答えは

壁のない愛へとなるはずです。

ですが、愛の種類によっても変わります。

試練を乗りこえた愛だけが

この答えに辿り着けるのです。



___end

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