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第14話

一番分かっている人



「…ソンウ、なんでっ…」

〈今日はごめんって謝ろうと思って、あなたを探してたらさ、こんな所で…〉



もう戻れないと思った。

傷つけてしまったから。



〈…っごめんな。守ってやれなくて〉

「私こそ…ごめんね」



悲しさを表す涙とは違う、

嬉しくて、ほっとした涙が溢れ出てくる。



〈ずぶ濡れじゃん。風邪ひくよ。帰ろ〉



帰り道、ソンウは私を支えながら

一緒に歩いてくれた。










〈タオルどこ?〉

「あっ、洗面所の近くの棚にある」



ずぶ濡れの私を、ソンウは水分を拭いてくれたり

ソファに座らせてくれたり、

毛布を掛けてくれたりした。

その優しさにまた目が潤んでくる。



〈また泣いてる〉

「違うよ、これはっ…」

〈俺なら泣かせないよ。あなたの事〉

「えっ?」

〈えっじゃないよ。本当に〉

「それはどういう…」

〈好きってこと。あなたが〉



あまりの唐突さに

思考回路と体が硬直する。



〈気付いてなかったの?ほんと鈍感〉



気付いてないに決まってるよ。



〈あんな奴やめとけ。お前が苦しむだけ〉



そんなの分かってる。



〈俺はお前が苦しむのを見たくない〉

「…ソンウ」

〈本気だよ。俺は〉



ソンウは口悪いし、意地悪だけど

嘘をついたことは一度もない。

この真剣な眼差しは

嘘を言っている顔でもない。








でも、ごめんね。

ソンウ知ってるでしょ。


私は一度決めた事、絶対に曲げない性格だって。




「ごめん、ソンウ。私、ソンウとは付き合えない」

〈うん。分かってる〉

「えっ?」

〈お前の事、一番分かってるのは俺だろ?〉

「でも…」

〈決めたんだろ。あいつについてくって〉

「うん」

〈じゃあ、頑張れ〉



ソンウは優しすぎるよ。



〈でも、一つだけ言っとくよ〉

「ん?」

〈嫌になったらいつでも来い。俺が奪ってやる〉

「ありがとう」



ソンウはソファから立ち上がって

もう一度



〈頑張れ〉



そう言って、私の家を出た。