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第33話

俺の



一気に静まった空気を

どうしようかと悩んでいた。

このまま話さないのもあれだし、

でも変なこと話しちゃったら嫌だし…




そんなこんなで悩んでいたら



『ぶっさいくな顔して何悩んでるんですかー?』



私の顔を覗き込むようにかなりの暴言を吐かれた。



「…うざいですよ先生」

『うわ、ぶすが怒った笑』

「別に、ほんとのことだし。怒ってないし」



自分が可愛くないのなんて重々承知してるんだよ。

でも追い討ちかけるように言わなくても。

私だって一応女の子なのに。



『不貞腐れてますね、パクさん』



先生はにこにこしながら毒を吐く。



「先生は綺麗な人が好きですもんね」

『は?』

「私なんかより綺麗な大人な女の人が好みですもんね」

『もっと具体的にい言えば?』

「顔面が綺麗で、大人の色気があって、スタイルが良くて、胸があって…」

『…そうだな。確かに胸があるのは憧れだよ』



そんな事を私の方を見ながら言ってくる。

私もなんか今の二人っきりの雰囲気が

嫌になっちゃって



「もう大丈夫なんで。私帰ります」



そう言ってジョングク先生の家を出ようとすると





パシッ



ジョングク先生に腕を掴まれた。

そして



『そうやってすぐ不貞腐れるところも、感受性豊かで思ってること顔にすぐ出るところも、ちょっとわがままなところも俺だけが知ってたらいいのにって思うよ』



後ろでそんな声が聞こえて

びっくりしてジョングク先生の方に振り向いた。



『なんてマヌケな顔してんの。まだ分かんないの』



はぁ、と溜息をついて



『お前のこと、ちゃんと可愛いって思ってるから』



わけわかんなかった。

今までめちゃくちゃに酷いこと言ってきたくせに。

私だって傷ついてきたのに。



『…なんも言わないの恥ずいからやめて』



ジョングク先生の顔を見ると

赤りんごみたいに耳まで真っ赤になっていた。



「ジョングク先生、真っ赤ですよ笑」

『うっせー、わざわざ言わないでいいから』



ジョングク先生をいじるとまた赤くなって

手で顔を覆っちゃうから可愛くて

少し意地悪したくなった。



「なに、ツンデレですか?」

『だから、言うなって』

「案外可愛いんですね、ジョングク先生」

『まじでうざいよお前、可愛くないから』

「……」

『ほら黙る、面白すぎ』

「……」

『可愛いよ』

「ほんとに、先生…」

『可愛いって言ったら喋るんだ。ちょろ過ぎ』



やっぱりうざい。


でも、



「いいですよ。別にちょろくても」

『は?』

「私がちょろくなっちゃうのも、すぐ不貞腐れちゃうのも、可愛いってのに反応しちゃうのも、全部ジョングク先生だからですよ」

『……』

「だからジョングク先生、私…」



初めて先生が教室に入ってきた時、

初めて先生から補習の付箋を貼り付けられた時、

初めて先生から名前で呼ばれた時、

初めて先生とキスをした時、

初めて嫉妬を覚えた時、

初めて危険に晒された時、

初めて手を縛られた時、

初めて愛を感じた時、

初めて誰かを愛した時、

今までの事が走馬灯のように駆け巡る。



「ジョングク先生の事が…」



嫌だと感じた時も、終わりだと感じた時も

沢山沢山あった。

沢山傷つけられた。

でも



「ずっとずっとすっ…」



その言葉の続きを私は言えなかった。










一回目のキスとは味は変わらなかった。

けど、心做しかとっても甘く感じた。



『俺は女に興味持ったことないし、自分から女に関してなんにもしたこと無かった』

『でも初めて、守りたいって思った女が出来た』

『幼稚だし、色気もなければ胸もない』

『俺のタイプは背が高くて、知識のある美人なのに、そいつはこんなにちびだし、最初は遊びだったのに好きになるなんて思ってもいなかった』

『でも、守りたいって思っても今の俺の状況じゃ、守るどころか危険な目に合わせてしまうから、俺は近づかなかった。離れたかった。もう思わないように』

『でも、そいつは俺の目の前に何度も現れて、俺の心の中から離れてくれなかった』



先生の思いを初めて聞いた。

涙はもう溢れる寸前だった。



『だからさ、俺も男らしくならなきゃいけないだろ?好きな女に気持ちも伝えれない男になんかなりたくないからさ』



目の前でジョングク先生は、ふぅ、と一息吐いた。



『あなた、』



嫌いだったジョングク先生からの名前呼びも

いつしかドキドキするほど嬉しくなっていて



『お前が好きだ』



ずっとずっと聞きたかった言葉だった。



『これから、もっと高く超えられない壁だって沢山あると思う』

『それでもついてきてくれる?』



そんなの、返事は決まっていた。



「ついて行くよ。うざがられてもね」



そう言った瞬間、

身体が大きな温もりに包み込まれた。

ずっとずっと欲しかった温もり。

包まれたかった人。



『…やっと俺のもんだ』