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第80話

80 番外編-その後 中編-
2,568
2022/06/02 18:35
暇や。
葵がシャワー行ったし、中々出てこうへん。
映画もつけてみたけど、内容全く入ってきいひんし。
ミナ
ミナ
…驚かしたろかな。
そう思ったのに…
脱衣場のドアを開ける前に、葵が出てきて私の方がびっくりした。
えっ…
何してるんですか?
ミナ
ミナ
何もしてへん!!
葵のアホ!!!
えっ?
何で怒ってるか分からないんですけど?
ミナ
ミナ
怒ってへんもん!
……可愛い。
今、可愛いって…
絶対、心の声やよな?
だってボソッと言っただけやし。
葵さーん、無意識に出た「可愛い」はズルいです!
嬉しすぎるし、恥ずかしい。
葵のせいで熱絶対上がったわ…
もうさ…ほんまに…
ミナ
ミナ
好き…
って、私も心の声漏れてる!
更に聞こえたん!?
葵の方見たら目逸らされた。
このさ、恥ずかしい時に目逸らさすの一生直さんといてな?
熱上がるといけないので
寝て下さい。
いーや。
やっと会えたし、ほんまに寂しかったんやからな。


私の手を引いて、ベッドに向かう葵。
立ち止まれば、心配そうに振り返ってくれる。
手を離して、葵に飛び込めばちゃんと受け止めてくれて…
大好きな匂いに包まれた。
もぉ…
風邪引いてるんですから、大人しく
寝て下さい。
怒ってる感じで言ってるけど、声優し過ぎ。
それに、ちゃんとギューってしてくれとる。
ミナ
ミナ
なら、抱っこして?
溜息つかれたけど…
抱っこしてくれる葵。
そのままベッドにおろされて、普通に布団掛けようとするから手を引っ張っる。
どうしたんですか?
ミナ
ミナ
横居って。
でも…
ミナ
ミナ
お願い。
お願いすれば、遠慮がちにベッドに入って来てくれる。
風邪移るかも…って思ったけど、どうしても引っ付きたくて。
葵の胸の中に収まった。
ミナ
ミナ
葵の匂い好き。
ん?
ミナさんの服借りてるから
一緒の匂いですよ?
ミナ
ミナ
そうやけど、何か違うねん。
葵にギューってされて、眠いのに寝たくない。
よく分かりませんが…
とりあえず、早く寝て下さい。
ミナ
ミナ
嫌や。
寝たら居らんかも知れんやん。
…ん?
居ますよ?
ミナ
ミナ
それでも分からへんもん。
今日のミナさんはよく分からない発言が
多いですね。
けど、不安に思ってる感じがするので…
そっとほっぺに触れる葵の手…
触れ方が優し過ぎて、溶けそうになる。
ここに居るので、安心して
寝て下さい…
こんなん寝れる訳ないやん…
心臓ドキドキし過ぎて、眠気どっかいったわ。
ミナ
ミナ
葵のせいで眠気どっかいった…
それに、もう限界。
ずっと会えへんだし、甘えられへんだし…


葵の顔に触れてから、顔を近付けてお互いの距離をゼロにする…
本当に移ったら看病しに来て下さいね。
ミナ
ミナ
うん、行く…
久々になぞられた唇。
その感覚にドキドキとゾクゾクが襲ってくる。
ミナ
ミナ
それは…あかん…
分かってやってます。
移っても看病してくれるって
言ってくれたので。
ほんまに移っても知らんからな。
煽ったの葵なんやから責任とってや?


もう一度唇に触れれば、それはどんどん深くなる。
熱あるし、体もしんどい…
けど、今更自分を制御出来ん。
そのまま流れに身を任せて、幸せを目一杯伴った快楽に溺れていった。

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