暇や。
葵がシャワー行ったし、中々出てこうへん。
映画もつけてみたけど、内容全く入ってきいひんし。
そう思ったのに…
脱衣場のドアを開ける前に、葵が出てきて私の方がびっくりした。
今、可愛いって…
絶対、心の声やよな?
だってボソッと言っただけやし。
葵さーん、無意識に出た「可愛い」はズルいです!
嬉しすぎるし、恥ずかしい。
葵のせいで熱絶対上がったわ…
もうさ…ほんまに…
って、私も心の声漏れてる!
更に聞こえたん!?
葵の方見たら目逸らされた。
このさ、恥ずかしい時に目逸らさすの一生直さんといてな?
いーや。
やっと会えたし、ほんまに寂しかったんやからな。
私の手を引いて、ベッドに向かう葵。
立ち止まれば、心配そうに振り返ってくれる。
手を離して、葵に飛び込めばちゃんと受け止めてくれて…
大好きな匂いに包まれた。
怒ってる感じで言ってるけど、声優し過ぎ。
それに、ちゃんとギューってしてくれとる。
溜息つかれたけど…
抱っこしてくれる葵。
そのままベッドにおろされて、普通に布団掛けようとするから手を引っ張っる。
お願いすれば、遠慮がちにベッドに入って来てくれる。
風邪移るかも…って思ったけど、どうしても引っ付きたくて。
葵の胸の中に収まった。
葵にギューってされて、眠いのに寝たくない。
そっとほっぺに触れる葵の手…
触れ方が優し過ぎて、溶けそうになる。
こんなん寝れる訳ないやん…
心臓ドキドキし過ぎて、眠気どっかいったわ。
それに、もう限界。
ずっと会えへんだし、甘えられへんだし…
葵の顔に触れてから、顔を近付けてお互いの距離をゼロにする…
久々になぞられた唇。
その感覚にドキドキとゾクゾクが襲ってくる。
ほんまに移っても知らんからな。
煽ったの葵なんやから責任とってや?
もう一度唇に触れれば、それはどんどん深くなる。
熱あるし、体もしんどい…
けど、今更自分を制御出来ん。
そのまま流れに身を任せて、幸せを目一杯伴った快楽に溺れていった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。