第72話

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2022/04/14 17:27
3ヶ月後…


まとまった休みをもらって、結婚式の為にアメリカへ。
結婚式の準備で、仕事終わってからも忙しくて3ヶ月なんかあっという間やった。
ミナ
ミナ
いよいよやなぁ…
嬉しさとか幸福感はあるけど、実感は湧かんくて…
何か不思議。
10時間以上のフライトを終えて、アメリカに到着。
空港には、葵…ではなくて秘書さんが迎えに来てくれた。
秘書
ミナさーん。
長旅お疲れ様でした。
私の荷物をいくつか持ってくれて、車まで案内してくれる。
ミナ
ミナ
迎えありがとうございます。
秘書
お礼を言われるような事では
ありません。
それに、お迎えを志望したのは
私ですから。
いつも優しいけど、今日は一段と優しい感じがする。
今回もホテルじゃなくて、葵のマンションに泊まるんやけど…
車が停まった場所は、めちゃくちゃ大きいビルの前。
秘書
着きましたよ。
サッとドアを開けてくれて、とりあえず降りる。
前を歩く秘書さんの後に続いてビルの中に入ると、色んな人が「Congratulations.おめでとう。」って声を掛けてくれた。


1つのドアの前で立ち止まって。
秘書さんがノックする。
ドアの奥から「はい」と日本語で返事が返ってきて、開けた先に見えたスーツでメガネ姿の葵。
秘書
葵さん、ミナさんを
お連れしました。
…迎えは頼んだけど、ここにとは
言ってない。
秘書
早く会いたいのではないかと
思いまして。
「どうぞ…」って秘書さんに言われて、社長室に入る。
私が中に入ったのを確認して、秘書さんはそっとドアを閉めた。
ミナ
ミナ
私…ここに来たらあかんかった?
いや、あの…そうじゃなくて。
会えたのは凄く嬉しいんですけど…
ミナ
ミナ
けど何?
仕事よりミナさんに気が
向いてしまいそうで…
なんやねん、それ。
目を逸らしたし…
可愛すぎるやろ。
ミナ
ミナ
仕事に集中して下さい。
社長さん。
…努力します。
実際、ずっと集中しとって。
秘書さんが社長室に入ってくるまで、話しかけれへんオーラが出まくってた。
秘書
葵さん、帰りますよ!
式前日までは残業なしと
約束したじゃないですか?
分かってる。
けど、タバコだけ吸わせて?
秘書
せっかくミナさんが
いらっしゃるのに…
タバコを持ったままの葵と目が合う。


仕事中、ずっと集中してたし…
1本だけならいいかな?
ミナ
ミナ
吸ってええよ。
私の言葉を聞いて、嬉しそうな顔でタバコを吸ってる。
ありがとうございます。
最後まで吸い切る事なく、電源を落として帰る支度をし出した葵。
そのまま、マンションに行くと思ってた。
けど、指輪を頼んだショップに寄って出来上がった指輪を受け取って。
次は、式を挙げる教会に行ってからレストランへ。
その後も、色々と打ち合わせとか準備とかで大忙し。
うん…そうやよな。
ゆっくりなんかしとれん。
だって、結婚式…2日後やもん。


全部終わって、マンションに着くと日付けが変わってた。
中々、車から降りひん葵の手と、キャリーケースを引っ張って。
秘書さんにも手伝ってもらいながら、やっと部屋の中に。
秘書
指輪は、私が責任を持って預かります。
葵さん!明日はお休みなので
ゆっくり休んで、結婚式に
備えて下さい。
ミナさんも、ゆっくり休んで下さいね。
疲れ切って、廊下に座り込んだ葵を思いっきり抱きしめた。

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