半ば強制的にお化け屋敷へ連れて行かれる蓮の顔は、少しこわばっていた。
「4名でよろしいですか?」
「では、2人ずつのペアで前後になってお進みください。」
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ガタンッ
4人でくっついてわたわたと進んでいく。自分の横にいるのが誰かなんて、もうわからない。
ダッ
誰かが皇成を引っ張って、そのまま走っていく。
残された2人は気づかず、出口へと向かってしまう。
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座り込んでしまった蓮の頭を優しく撫でる。
皇成は思わず蓮を抱き寄せた。蓮も拒まず、落ち着くまでそのままでいた。
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ドッ…ドッ…
言葉とは裏腹に、2人の中には心臓の音が大きく響いていた。
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沙彩と皇成は薄暗いなかを歩く。2人はずっと笑っていた。
優しく、包みこむように抱きしめる
ズキッ
ズキッ
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!