第6夜「噂話」


町外れの寺に遊びに来ていた空
話していると望が突然...

望）そうだ！
廉）どうしたの？望。
望）噂話で思い出した！
このお寺にもあるんだよね、噂話！
空）噂話？
望）この寺の敷地内に小さな祠があるんだけど、
夜になるとその祠から声がするんだって。
空）そ、それって...まさか..（青ざめて）
望）そう、お化け〜
空）ひぃいい！！

望の話にビビる空

廉）あくまで噂話ですよ。
空）だよね！いないよね！
望）でも住職さんが聞いたって話してたよ。

このお寺の住職さんはいわゆる「見える人」
それゆえに信憑性は増す方で...

空）俺、そろそろ帰ろうかなぁ..ｱﾊﾊ

ガシ、

望）肝試しやろう！空✨
空）やだよ！
廉）妖の俺たちが肝試しってどうなんだろ？
望）気になるじゃん。
空）そりゃ、なるけど...
廉）なるんでんすね..（苦笑い）
望）大丈夫だってw
空）パッと行ってパッと帰るからね！

怖いけど好奇心が勝ってしまった空
夜にまた来る約束をしてしまうのだった

そして、夜。
三日月が真上に来る頃に3人はお寺に集まった

望）それじゃ、肝試しに出発！
廉）その祠ってどの辺り？
望）本堂の裏から真っ直ぐ山へ行ったとこ。
空）奥まで入るの？
望）そこまで遠くないよ、たぶん。
廉）たぶんって...
望）聞いただけで行ったことないからね！

ドヤ顔で言われて呆れる2人

空）そんな事だと思った。
廉）まぁ、望でふからね。
望）ほら！行くよ〜✨

不安になりつつも
元気な望に率いられ祠を目指した

本堂の裏から山の方へ歩くと
石造りの小さな祠があった

望）あった！あれだよ、祠！
空）お化けは？（キョロキョロ）
廉）何の気配も感じませんね。
空）ほら！噂話なんてこんなものだって、
何にもいない！それが真実で...

「....いたい」

空）....何か、聞こえた？（カチンと固まる）
廉）聞こえましたね。
望）聞こえた！

「痛いよぅ...」

空）また聞こえた！！
廉）誰かいるんですか？
望）あ、あれ！

望が祠の裏を覗き何かを見つけ走り出す

廉）望！？
空）危ないって！

2人も後を追って祠の裏を覗き込む

望）見てよここ！
祠が崩れて木が下敷きになってる！

望が指した場所を見ると
祠の裏側が半分崩れていて
その瓦礫が若木を押し潰していた

「痛い、痛い」

廉）この木から聞こえます！
空）瓦礫を退けよう！
望）うん！

若木を助ける為に瓦礫を片付ける3人
どうして祠が崩れていたのだろうか


つづく