第10話

神の力
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2021/06/15 04:26
第10夜「神の力」


町で出会った木の神様を連れて
色々と案内していた空
その姿を見つけた望と廉が駆け寄って来た

空)2人とも、何かあったの?
廉)はい、それが...
望)大変なんだよ〜!あのね、えっと?むむ?

って、思い出せないんかい!

空)何があったの?廉。
廉)若木が折れかけてて、
添木してはいるんだけど木霊も元気なくて...
望)そう!大変なんだ!
空)えっ!?若...
神様)木霊じゃと!!?

空が言い切る前に神様が反応する

廉)えっと...
空)あ、この人はねあの祠にいた木の神様。
望)えええ!?
廉)見つけたんですね、良かった。
神様)我の事はよい!
その木霊の所まで早く連れていくのじゃ!!
空)分かったから!耳を引っ張らないで〜

背に乗ったまま耳を引っ張られるのを止めながら
若木のある祠の側まで走った
廉と望も空の後に続く

山を降りて町を抜け寺を目指す、
辿り着いた頃には夕暮れになっていた

神様)何と、これは酷い...
空)昨日は元気だったのに。

祠の裏にあった若木はその幹の真ん中から
横に亀裂が入り折れかけていてその箇所には
添え木がされてあった
その横には弱った木霊がいる

望)昼間、様子を見に来たら折れかけてて。
廉)この辺りに猪の足跡があったから夜に来て
若木にぶつかったんだと思います。
空)そんな...

木霊が神様へと近づく

木霊)お母さん?
神様)おお...すまぬ、我が側に居れば
苦しませる事など無かったのじゃ。
(木霊の頭を撫でながら)

空)どうするの?
神様)もちろん治すのじゃ。
廉)出来るんですか!?
神様)我は神じゃぞ?このくらいは容易事じゃ。

神様が若木に触れると
折れかけていた箇所が光り亀裂が塞がっていく

望)おお!
廉)凄い...
空)流石、神様!
神様)当然じゃ!(ドヤ顔)
木霊)お母さん!
神様)おお、元気になったのう。

木霊が神様に抱きつく

神様)じゃが、お前の母はこの御神木じゃ、
我は住んでいただけでお前の母では...
木霊)お母さん。(にこっと笑って)
神様)....それで良いのじゃ。(絆される)

空)良かったね、神様。
神様)うむ、空には迷惑をかけたな。
空)楽しかったし、気にしてないよ。
神様)そうか!我も楽しかったぞ。
しかし、これはどうするか...

壊れた祠を見て困り果てる神様 
確かにこのままではな住めなさそうだ

空)確かにこれじゃあね。
望)でも壊したのは神様じゃん?
廉)ちょっと、望!
神様)良い良いw 本当の事じゃ。

空)良し、直そう!
廉)えっ?
空)石造りは無理だけど、木でならさ。
望)成る程〜いいね☆
廉)やりましょうか。
神様)お主たち...(感動)
空)立派なやつ作るからね!


こうして壊れた祠の代わりになるものを
空たちの手で作る事に
果たしてどんな物が出来上がるのか


つづく

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