俺には理解が追いつかなかった。
今どういう状況なのか。
なんで悠くんは過呼吸を起こしているのか。
いむくんはなんで泣いているのか。
気がついたらないくんが叫んでいた。
そう叫んだとたん、ないちゃんとまろはあにきのもとへ、りうらはいむくんのほうへ駆け寄って行った。
俺はどうすればいいか分からず、とりあえずりうらのほうへ行った。
りうらは泣いてるいむくんを、小さい子供を慰めるように撫でた。
そこで1つ理解出来た。
いむくんが泣いてるのは、天使病の症状で幼児退行しているから。
一向に泣き止む気配がしない。
そこでりうらが慌てたようにこっちを見て言った。
俺は肩を指さした。
そしたらりうらはらびまるをさっと抱き上げいむくんのまえに出した。
いむくんは泣き止んでらびまるをじっと見ている。
いむくんは頷いた。
りうらはそのままいむくんの手をひいて階段を登る。
俺もそれに続いた。
いむくんの部屋に入り、りうらはいむくんにらびまるを手渡した。
さっきまで泣いていたのが嘘みたいに満面の笑顔で頷いた。
ドアの開く音がした。
俺とりうらがドアの方を見ると、そこにはまろが立っていた。
まろは俺たちの後ろでらびまると遊んでいるいむくんを見て言った。
そうして俺たちはないくんの説明を聞きに1階へ戻った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。