まろは指宝病と殺人病。
俺と同じだけど違う。
俺は階段を登りながらその事を考えていた。
みんなまろのことで不安を感じて心配してるだろう。
そんな中俺は。
俺と同じで2つの奇病にかかってる人がいたって思って安心してる。
最低だ。
俺はまろの部屋のドアを開けた。
まろはベッドに腰掛けて下を向いていた。
部屋の中に入ってドアを閉めた。
気まずい静寂が俺らを囲う。
先に口を開いたのはまろだった。
まろが俺を呼んだ理由は俺が考えていたことと同じだった。
再度静寂に包まれる
まろは両手を見た。
まろの言葉の続きは.....宝石になる、だろう。
突然の大声に驚いた。
ドアの外を誰かが走っていく音がした。
その音に気づきはしたが追いかける気にはならなかった。
誰なのかもわからない。
俺はまろの言ったことに衝撃を受けた。
これがまろの本心.......?
愕然とした。
確かに天使病とトロイ、瞳遷病は.....アルビノも、治療法は今のところない。
りうちゃんが俺に教えてくれた治療法は常に不可能なものだった。
まろのも、まろにとっては難しいのだろう。
ないちゃんは.......。
まろは俺を見ずに言った。
俺は返す言葉がなかった。
少し考える。
そこでひとつ疑問が生じた。
まろは苦笑いした。
俺は続きを待った。
.......そうだよね。
俺たち奇病患者にとっては普通のことでも、周りから見たら普通じゃない。
まろにとって、感情を表すのは難しい。
それはまろにとって普通のことだ。
でも、周りから見たら普通じゃない。
俺はいつの間にか顔を下に向けていた。
自分の手を見ているであろうまろが俺を呼んだ。
まろの手に光が反射して下を向く俺の目に青い光が入ってきた。
俺の目は紫に光った気がした。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。