第22話

裏の顔
303
2020/09/24 07:17
学校中で大人気の平野くんの隣の席になりたい。ちなみに、席は離れてるタイプじゃなくてピッタリくっついてるタイプで。
それで、ニコニコの笑顔で「えーと、…○○ちゃん、だよね?よろしく、俺紫耀。笑」て言われて、名前覚えてくれる事に嬉しくなりたい。
誰にでもフレンドリーだし、平野くんの周りにはいつも誰か人が居るし、本人も嫌な顔せずずっと笑顔で話しててちょっとモヤっとする。
ある日、いつもは通らない裏道から帰ろうと通る。音楽かけようと、スマホ見ながら進んでたら誰かにぶつかった。
「すいませッ…、、!?!」謝ろうとスマホポッケにいれて顔を上げれば見るからにガラ悪そうなひと。
全身から血の気がサーっと引いた、逃げようと思っても体が動かなくてとりあえず目線を下げればその男のひとの手にはタバコ。
「チッ」て舌打ちが聞こえて、タバコが上に上がってくのに釣られて顔をあげればサングラスを外したらしい、その人。……あれ?見たことある顔。
「ひ、らの…くん、?」声はめちゃめちゃ震えてた。「…○○ちゃん?」…なんか、違う。教室で呼ぶ○○ちゃんと、今の○○ちゃん。
また顔を下げた。もう逃げたい。動いてよ、足……
どんどん近づいてくる平野くんに逃げるように下がったけど、ザラっとした感触は壁まで追いやられたことを示してる。
「…こっち見ろよ」いつもとは違う、冷めた低い声。恐る恐る顔を上げた。その瞬間、タバコの煙が顔にかかって。「…あ〜わりぃ、笑」て悪く笑われた。
咳き込んでる間に奪われたスマホ。いつの間にかLINEは交換されてた。
「また明日学校でな。」
_____。
END
ただただ顔にタバコ吹きかける平野さんを書きたかったってだけです、笑

プリ小説オーディオドラマ