第10話

西村友紀③
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2026/04/24 09:00 更新
周りから構ってもらえなくて1か月が経とうとしていた。

そんな中で、俺は17歳の誕生日を迎えた。

去年はサプライズでみんなからお祝いをされたが、きっと今年は忘れられているだろう。
友紀
友紀
はあ………
学校に着いて、自分の席に腰を下ろした。

周りは朝から自分の机に張り付いて受験勉強をしている。

朝のHRが始まるまでふて寝をしようとしていたら、誰かに肩を叩かれた。
クラスメイト
友紀、誕生日おめでとう!!!!
友紀
友紀
うおっ!
さっきまで俺のことなんて見向きもしなかった友達が、気づけば机の周りに集まっていた。

どうやら驚かせるために、忘れたふりをしていたらしい。
クラスメイトA
これうちらからだよ!
めっちゃいい匂いがするハンドクリーム!
友紀
友紀
え、あ、ありがとう
クラスメイトB
友紀、俺からもあるぞ。ほれ
友紀
友紀
え、スタパのギフトカード!
俺のことなんて誰も気にしてないだろうと思っていたのに、みんなが準備してくれていた。

次々と渡されるプレゼントに泣きそうになっていると、担任が教室に入ってきた。
クラスメイト
せんせー! 今日友紀の誕生日ですよ!
先生
おおっ、そうだったのか、おめでとう!
じゃ、今日はたくさん授業で指してやるからな
友紀
友紀
えーーっ!?
俺のリアクションを見て、みんながゲラゲラ笑っている。
友紀
友紀
(そうだよ、これだよ!)
みんなに注目してもらえると、自分の存在も認めてもらえたような気持ちになる。

それから誕生日ということで、みんな俺に優しくしてくれた。

勉強も今日だけは休みにすると言ってくれて、俺の面白い話をたくさん聞いてくれたし、いつもみたいに盛り上がってくれた。
友紀
友紀
あー最高な1日だったな……
その日の夜。俺は自分の部屋のベッドに寝転んで、今日の余韻よいんひたっていた。

学校が終わった放課後、みんなに誘われてカラオケに行った。

誕生日特典でオリジナルケーキを貰えただけじゃなく、みんながマイクを譲ってくれて俺の好きな歌をたくさん歌わせてくれた。

――コンコンッ。
お父さん
友紀、入るぞ
部屋に入ってきたのは、仕事から帰ってきた父さんだった。
お父さん
これ誕生日プレゼント
友紀
友紀
ええっ!
渡してくれたのは、ずっと欲しかったゲームソフトだった。

いつも買ってほしいと頼んでも、自分でバイトして買えって突き放すだけだったのに……。
友紀
友紀
お、俺、この前のテストの点数悪かったけどいいの?
お父さん
良くはないけど、まあ、誕生日だから特別だ
友紀
友紀
特別………
お父さん
今日は母さんも友紀の好きなものばっかり作ってるぞ。パーティーってわけじゃないけど、これから友紀のお祝いをしよう
リビングでは、唐揚げにハンバーグ、それから大好物のカレーが並んでいた。
友紀
友紀
(誕生日って、すげえ……!)
みんなが俺だけを見てくれる。

みんなが俺のことを特別扱いしてくれる。

だけど、今日が終われば最高だった時間も終わる。

そうしたら、友達もまた俺に構ってくれないし、つまらない毎日になってしまう。

みんなから、毎日特別扱いされるにはどうしたらいいんだろう。
友紀
友紀
(誕生日が毎日来ればいいのに……あ)
俺は、あることをひらめいた。

夕闇高校にいる密ちゃん。

困っている生徒に、秘密のアイテムをくれるユーレイだ。

もしも本当に密ちゃんがいて、うまくアイテムをもらうことができれば……。

俺の望みが、叶うかもしれない!

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