周りから構ってもらえなくて1か月が経とうとしていた。
そんな中で、俺は17歳の誕生日を迎えた。
去年はサプライズでみんなからお祝いをされたが、きっと今年は忘れられているだろう。
学校に着いて、自分の席に腰を下ろした。
周りは朝から自分の机に張り付いて受験勉強をしている。
朝のHRが始まるまでふて寝をしようとしていたら、誰かに肩を叩かれた。
さっきまで俺のことなんて見向きもしなかった友達が、気づけば机の周りに集まっていた。
どうやら驚かせるために、忘れたふりをしていたらしい。
俺のことなんて誰も気にしてないだろうと思っていたのに、みんなが準備してくれていた。
次々と渡されるプレゼントに泣きそうになっていると、担任が教室に入ってきた。
俺のリアクションを見て、みんながゲラゲラ笑っている。
みんなに注目してもらえると、自分の存在も認めてもらえたような気持ちになる。
それから誕生日ということで、みんな俺に優しくしてくれた。
勉強も今日だけは休みにすると言ってくれて、俺の面白い話をたくさん聞いてくれたし、いつもみたいに盛り上がってくれた。
その日の夜。俺は自分の部屋のベッドに寝転んで、今日の余韻に浸っていた。
学校が終わった放課後、みんなに誘われてカラオケに行った。
誕生日特典でオリジナルケーキを貰えただけじゃなく、みんながマイクを譲ってくれて俺の好きな歌をたくさん歌わせてくれた。
――コンコンッ。
部屋に入ってきたのは、仕事から帰ってきた父さんだった。
渡してくれたのは、ずっと欲しかったゲームソフトだった。
いつも買ってほしいと頼んでも、自分でバイトして買えって突き放すだけだったのに……。
リビングでは、唐揚げにハンバーグ、それから大好物のカレーが並んでいた。
みんなが俺だけを見てくれる。
みんなが俺のことを特別扱いしてくれる。
だけど、今日が終われば最高だった時間も終わる。
そうしたら、友達もまた俺に構ってくれないし、つまらない毎日になってしまう。
みんなから、毎日特別扱いされるにはどうしたらいいんだろう。
俺は、あることを閃いた。
夕闇高校にいる密ちゃん。
困っている生徒に、秘密のアイテムをくれるユーレイだ。
もしも本当に密ちゃんがいて、うまくアイテムをもらうことができれば……。
俺の望みが、叶うかもしれない!










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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。