学校の休み時間。机に頬杖をついてぼうっとしていたら、この前と同じ子が声をかけてくれた。
いつも持ち歩いていたプリクラも、幸乃から絶縁されてからは家に置いたまま。
考えてみれば、友達と呼べる人はたくさんいても、放課後に遊んだりするのは幸乃だけだった。
だから、私のプリクラに写っているのも幸乃だけ。
そう言って、友達は私の隣の席に腰かけた。
親友と呼べる関係にはなれなくても、仲を深めていける関係はこれからだって築いていける。
離れていった幸乃に執着するんじゃなくて、これからのことを考えるべきだ。
なんとか頭を切り替えるために、その子と色々な話をしていると……。
突然、そんなことを聞かれた。
その異変に周りはまったく気づいていないらしく、ずっと気味悪く思っていても、口に出すことはできないそうだ。
旧校舎の外れに、ぽつんと置かれたロッカー。
その扉の奥は、密ちゃんがいる秘密の教室まで繋がっているらしい。
頭に浮かんでいるのは、もちろん幸乃のことだ。
もしも本当に密ちゃんが存在していて、仮に選んでもらえたとしたら……。
幸乃が親友をやめると言い出した理由が分かるだろうか?
日差しが薄れてきた放課後の校舎は、いつも怖いくらいに静まり返っている。
とくに備品置き場になっている旧校舎は、時間が止まってしまったみたいに自分の足音しか聞こえない。
足を止めた先にあったのは、密ちゃんに会えるというロッカーだった。
幸乃に拒絶されてから、私は自分なりに気持ちの折り合いをつけようとしてきた。
でも、どうしても納得ができないし、今では幸乃に対しての怒りも生まれている。
そして、おそるおそるロッカーの扉を開けると……。
目の前には、地下へと続く階段が広がっていた。














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。