俺の名前は西村友紀。夕闇高校に通う2年生。
自分で言うのもおこがましいが、クラスではわりと〝ムードメーカー〟として知られていて、友達からは「友紀がいるとクラスが明るくなる」とか「お前の話を毎日楽しみにしてる!」なんて言ってもらえることが多い。
今日も昼休み。賑やかな食堂の片隅で仲のいい数人のメンバーとうどんやおにぎりを頬張りながら、いつものように楽しい話をしていた。
俺は箸を一度置き、大げさな身振り手振りを交えて説明する。
友達の視線が一斉にこちらへ集中すると、俺は期待に応えるように、少しだけ声のトーンを落として間を取った。
引きのある語り口はお手のもの。みんなの関心がさらに高まっているのを感じた。
冗談めかして言うと「友紀だったらワンチャン友達だと思われてそう!」なんて、みんながさらに盛り上がっていた。
周りから注目されることが心地よくて、内心でガッツポーズをした。
自分の話でみんなが楽しんでくれることこそ、俺の生き甲斐だ。
まあ、ほとんどが作り話だし、でかい黒猫に会ってなければ、当然UFOにだって拐われていない。
だけど、誰のことも傷つけてないし、みんなだって俺の話を楽しんでくれている。
ネットで拾ったネタを見ながら次の話を考え始めたが、翌日のHRで担任からこんなことを言われた。
先生が配り始めたA4サイズの用紙には、「進学/就職」の選択欄のほか、希望する学校名や学部、あるいは希望職種や勤務地を書くスペースが用意されていた。
まだ高2だし、当然周りも同じ気持ちだと思いきや……。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。