予想に反して、周囲の友達は卒業後の進路についてのプランをしっかり思い描いていた。
志望理由や試験対策などの情報交換に花を咲かせていて、その輪に入れない俺は、ただぽかんとしていた。
いつも俺の話に乗ってくれる友達が、気づけばみんな進路の話ばかりするようになっていた。
担任が進路の話を持ち出してきたせいで、その日からみんなの雰囲気がガラリと変わった。
あれ以来、誰も俺の話に耳を傾けてくれないだけじゃなく、ちょっかいをかけて気を引こうとしても構ってもらえない。
みんなが好きそうなネタもあるし、盛り上がりそうな作り話だっていっぱい用意してるのに……。
そこで俺は最後の手段に出た。
相手にしてもらえないなら強行突破しかないと思い、勢いよく机の上に広がっていた友達の受験用ノートを奪い取った。
手をパンパンっと叩き、教室中の視線を集めようと必死になったその時、どこからか低いため息が聞こえた。
ひとりの発言を皮切りに、周りも同意するように頷いていた。
これまで散々、興味津々で楽しそうに耳を傾けてくれていた友達が、一斉に冷めた目つきで俺のことを見ていた。
たしかに俺は、注目をされるのが好きだ。
いつだって自分の存在をクラスのど真ん中に置いておきたいし、『友紀は面白くて最高だな!』って、ちやほやされたい。
だけど、もう誰も俺に関心がない。
俺の作り話なんかにもう興味はないし、こっちを見てくれることもない。
――なんなんだよ、くそ。
胸の奥がギュウッと締めつけられるような、重苦しい退屈さ。
進路なんかより、俺だけを特別に扱ってほしい。
つまんない、つまんない。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!