第4話

夏の想い出
2,908
2021/05/13 13:29
(3年生組)
さっちゃんと一緒に部活に行こうとしていると呼び止められる


同級生「さつき、双葉って1年生、サッカー部だよね?」

さ「そーだよ?」

同級生「じゃ部室の方行ってみようかな…」


さ「何か問題あった?」


同級生「いや…お前ら仲いいの?」

さ「仲良くしてるよ!」

同級生「そうなんだ、一緒にいる2人もカッコイイから目立つよな」

そう言って笑顔で去る



教室を出ながら

清「何いまの?気に入ったって事?」

さ「それっぽいね?」
「でもさ!あの子たちサッカー上手くてびっくりした!」

清「確かに!こたは乗り気じゃなかったから下手なんかと思ってたら何でも器用にやるし」


1週間で俺たちは1年生と大分仲良くなった

特にあの3人は子供のようにじゃれて俺たちにも絡んでくるから可愛がっている






部活終わり

さ「お腹すいたぁ、何か食べたい」

慶「今日はラーメンだな!…あっ…ラーメン以外でいいよ…」

市川くんが俺を見る


清「ラーメン屋なんて沢山あるやろ」

どこに行こうか話をしていると


三「先輩ー!ご飯行くんですかぁ?」

後ろから声がするので振り向くと
みなとの横には当然のようにりょうがとこたもいる


慶「ラーメン食べたいって話してた」

三「え?じゃあ、俺の知ってるとこ一緒に行きましょ!美味しいですよ」

さ「行く!いいよね?」

清「うん、みなとの知ってるとこ行こ!」



みなとは歩きながら従兄弟がバイトしてるラーメン屋だと教えてくれた



通い慣れた道を通り過ぎ、それでもまだ通い慣れた道を通るから



嫌な予感はしてた…



三「あ、そこです!」

清「…」

慶「ん?そこ?」

さ「あー」



三「あ、知ってました?」

慶「あぁ、うん、美味いよな」

市川くんがチラッと俺を見る


折角みなとが連れてきてくれたんやから、入らない訳にはいかない


清「行こ」

俺が言うと市川くんとさっちゃんは安心したように店に入った



店員「いらっしゃいませー!あ、久しぶり!」

清「久しぶりです笑」

三「あ、りんたろう!」

みなとが奥の方へ声を掛けている


市川くんとさっちゃんはそっちを見ていたが、俺は構わず前にいたりょうがの背中を押して一緒に近くの席に着いた



り「あ!ども、久しぶりです」

慶「元気?」

り「あ、はい…笑」

三「え、市川先輩、りんたろうと知り合いですか?」

小「さっき六花先輩も店員さんに声掛けられてたけど…」


清「あ、俺、夏にここでバイトしてたから」

気まずくなるのが嫌で自分で言う


涼「そうなんだ!」


り「きよ、元気そうだね、学校じゃ会わないからさ」

りんたろうが俺とりょうがが座った席に歩いてくる


清「うん…」

来んでええて!
と思うけど後輩の手前、さすがに言える訳もなく


三「えーお前、先輩の事きよって呼んでるの?」

一緒に席に移動してきたみなとが言う


あ…
そんな事言われるとは考えてなくて固まる

確かに2年生が3年生にきよ、って呼んでたら不思議がるよな…


り「お前だって年下のくせに俺にタメ口じゃん笑」

三「俺らは従兄弟やん」

り「俺も別に学校で知り合った訳じゃなくて、バイトで同じ高校って知ったんだもん」


あ、何とかやり過ごした…




りんたろうが注文を取ろうとするが


り「きよはとんこつでいい?」

…なんでお前が決めるんや
まぁ、とんこつなんやけど




ラーメンが来るまで待っていると

さ「みなと、従兄弟と顔似てるね」

さっちゃんの言葉で、そういえばみなとが言ってた従兄弟ってりんたろうやったんか、と今更ながら気づく

確かに初対面で雰囲気似てると思ったけど、まさか身内だとは思わなかった…




懐かしいとんこつラーメンを食べてるのに、店内をうろつくりんたろうが気になって仕方ない


世の中のラーメン屋が食べてすぐ店を出るスタイルで良かった…


足早に店を出てホッと一息ついたが




り「きよっ」


店から出てくるりんたろう



みなとが振り返るのが視界に入る


…ズルいやん、無視できない空気作るなんて

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