第17話

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2021/05/26 04:25
ピンポ-ン

小「…今日は来ないって言ってたのに」


清「うるさいわ」

俺はこたを押しのけて玄関に入り、家主より先に2階へ上がった



清「これ、なんで付けたん?」

小「え?今更聞くの?笑」

こたはいつものようにヘラヘラと笑ってる


清「後から考えると、多分イキそうな時に付けたんやろな、って思ったけど、あの時は…」

夢中で気づかなかった、とは言いたくなかった



清「なんでこんな事したん?」

小「普通にしてたら見えないよ?」


清「そうやなくて、何で伊月に言ったんや!付き合えばいいって言ってたやんか」


小「でも後回しにされるのは違うよね」



昨日こたに誘われた時に
『明日は伊月と会うから』と断った

その腹いせか



清「伊月を優先するのは当たり前や」


小「何で僕が我慢しなきゃいけないの?」



「何でそんなワガママなん?俺は約束守ってるし、伊月の事…そりゃあ伊月には悪い事してたけど、でもこたに邪魔されるのは絶対おかしいやん!」


自分が悪いことも分かってるけど、ヘラヘラされると全部こたのせいにしてしまいたくなる




小「だって、あの人がいたら…挿れてくれないじゃん、昨日それに気づいたから」




清「そ、そんなの、他にいくらでもいるやろ」






小「幸せって言ってたから」


清「え?」




小「先輩がセックスしてた時に、幸せって言って沢山キスして笑ってたから」


りんたろうとの事だろう

正直、その日の細かいことなんて覚えてなかった



俺が幸せそうにしてたから、だから俺とセックスしたいってこと?


軽いキスしかした事ないのに、舌を入れてきたのも?


でも…俺のせいでこうなった、って


何が本当なんやろ



でも、今は…





清「お前なー…好きな奴としてるから、そうなんやって。そうじゃなきゃ快楽しか貰えんで?ほんまに分からんの?」



小「付き合ったことないって言ったじゃん」



清「とにかく、俺とセックスしてもこたが幸せになる訳ないやんか」



小「いいの、今は先輩としたいんだから」




俺はドサッと乱暴にベッドに座った

清「俺、怒ってんで?お前に邪魔されて」



スっとこたが横に正座で座る

小「先輩は相手が怒ってても無理矢理挿れちゃえばいいけど、僕は相手がその気になってくれないと困るんです」


…怒ってる相手に受けの心境を真顔で言うなよ


清「無理矢理なんてせえへんわ」


清「あと、勝手に俺が振られたと思ってるみたいだけど、伊月と付き合ってるし、セックスも…さっきしたよ」


小「え?嘘でしょ?証拠があるのに誤魔化せたの?」

こたが俺の首元に痕が残っているか確認する



清「伊月とするから、こたには挿れんよ」



唇を噛みしめるこたを見て満足する



清「こたは恋愛する事を覚えた方がええよ、その方が幸せやって」


小「説教は要らない。手でいいよ、しよ」




本気で怒ってたのに毎回これだ

もう半分諦めてる、こうなるって

だからせめてもの反抗…





ベッドに腰掛けた俺の上にこたが跨る
キスをせがむように唇を少し尖らせる


キスをするフリをして遠ざかると
こたは目を細めて悔しそうな顔をした


小「いやだよ…して」

少しゆっくり喋るその言い方がそそる


目が合い、誘いにのってキスをする
こたの舌に触れ、奥まで深く交わる

腰に回した手をそっとシャツの中に入れ、腰周りを撫でる

小「ふ…あぁ…んんっ!…はぁん」

ビクッと動くこたの体


舌を絡めて唾液を吸って咥内を弄り
溢れるこたの喘ぎ声に煽られて

…つい首元に舌を這わせる


小「あっ!…あぁん!」

今度は首元がビクンと跳ねる


止めないと…




清「脱ごう、勃ったやろ」


こたはもっとして欲しい、と言わんばかりの火照る顔をしてるけど、構わず脱がせた


小「先輩、寝て」

寝転がると、こたが跨って…




清「…んっ!…え!?」




小「んっ、痛っ!…痛ったーい!」



こたが腰を落とし、俺のモノをこたの後ろの口が飲み込んでいた



清「な、何もせんと無理に挿れたら痛いに決まってるやろ!何しとん!?」



苦しそうな顔で途中で止まったこたの腰を支えながら

清「とりあえず抜けって、裂けるで!」



こたは動かない

ゆっくり顔を上げると





小「あの人に先越されて悔しいし、今日は絶対に挿れて欲しかったから。もう挿れてはいない、って言い訳は出来ないからね」

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