さ｢きよちゃーん？こたー？先帰るよー｣

三｢爆睡してんな、笑えるんやけど｣

慶｢オモロいから写真撮っておくか笑｣






数日後の昼休み

慶｢あ、今日生徒会で部活遅れる。後で一瞬会って欲しいやつ居るんだけど｣


清｢誰？｣

俺よりも隣のさっちゃんの方が満面の笑みでワクワクしてる


慶｢生徒会のやつで、お前を紹介してって頼まれたの｣

清｢あー…｣

慶｢まだ早かった？いいやつだからさ、話してみてもいいんじゃないかと思ったんだけど｣


清｢いや、別れて何ヶ月か経ってるし…市川くんの見立てやったらええよ｣

慶｢俺も恋愛したくなってたのにお前に先に話が来たわ笑｣


清｢あ、そういえば…こたとしたんやろ？｣

恋愛したい、なんて市川くんが言うから唐突だけど聞いてみた


さ｢それね笑｣

慶｢したって言うか頼まれて抜き合っただけ｣

こたと同じ事を言うが
市川くんが突然思い出したように笑いだす


慶｢お前、あいつに脅しでもしたの？笑｣

清｢は？してへんよ｣


慶｢俺が『1人で寝たいからきよと寝て』って言ったら『ムラムラしたら怒られるから抜きたい』って言い出して、正味勃てばやりたくなるじゃん？挿れていい？って聞いたら『声聞こえたら怒られるから』って笑｣


さ｢市川くんが断られてるなんて滅多にないよね笑｣

慶｢元々やりたかった訳じゃないけど、断られた事に関してはちょっと傷ついたわ笑｣


清｢…前にいい加減な事すんな、みたいな事は言ったけど別に脅してへんわ｣

結局それも、もう言えないような微妙な立場になってしまったんやけど



こたはここ数日、後輩として何事もなく関わってる
みなとやりょうがと同じように



慶｢結局ただ抜いた、って感じでキスもないしハグもないし…やっぱ俺は相手が俺の事好きじゃないと燃えないなーって思ったね｣


…そんなこと言われたら言えへんやんか
一応報告せなあかんと思ってたのに


さ｢えーみなとは普通にキスもハグもするけどね、あ、抜き合いじゃなくてセックスだからかな？｣



…あれはセックスやったんやろか






部活中、いつの間にか市川くんが参加していて俺に駆け寄ってくる

慶｢ほら、あいつ｣

フェンスの方を指さす


清｢あんま見えへん…挨拶した方がええんよな？｣

慶｢挨拶だけしてやって｣

初見の人は苦手やけど、市川くんが紹介してくれた人やから、緊張しながら向かう


清｢えっと、市川くんの友達の生徒会の人？｣

近寄るとクールな長身の男でちょっと怯んでしまう

同い年なのに大人っぽく感じる

俺と合うんかな…


伊｢あ、はい、あ、あの、伊月です｣

思いがけずクールな顔があからさまに赤くなって、言葉に詰まりながら名乗るので、第一印象がすっかり変わってしまった

なんや、ちょっと安心したわ


清｢今日はあと1時間部活やから、また今度話す？｣

伊｢えっと…待ってていいなら時間潰してるけど…迷惑じゃないなら｣

清｢無理してへん？｣

伊｢全然！｣

恥ずかしそうに笑う顔は、黙ってる時と全然違った




慶｢どうだった？顔は問題ないと思うけど｣

清｢かっこよ過ぎて怖い印象やったけど、喋ると全然違うやんな｣

慶｢そう、俺とも最初なかなか喋ってくれなくて笑 いいやつだよ｣

清｢うん、待ってるって言うから部活終わったら先に帰るわ｣






(1年生組)

三｢あ、あの人またおるな｣

涼｢六花先輩あの人と帰るのかな…最近遊んでくれないね｣

小｢…話しかけてくる笑｣

三｢え！意地悪せんといてや？｣

小｢…なにそれ？笑｣




小｢こんにちは｣

伊｢…あ、どうも。きよの後輩？｣

小｢はい！六花先輩の彼氏さんですか？｣

伊｢…友達だよ｣

小｢でも好きなんですよね？｣

伊｢えっ、ストレートに聞くね…うん、いいやつだよね｣


小｢そうですね、キスも上手いですよ｣


伊｢え？…付き合ってる訳じゃないよね？｣


小｢付き合ってませんけど、今そういう関係なんで｣

伊｢そういう関係…そう、なん…だ｣




3時間後

ﾌﾟﾙﾙ…ﾌﾟﾙﾙ…

小｢はい｣

清｢お前っ、伊月に何言ってんの！｣

小｢本当の事しか言ってませんけど｣

清｢アホか！それがダメなんやろ｣

小｢マズかったんですね、すみません｣

清｢悪いと思ってないやろ！｣

小｢聞かれてどうしたんですか？｣

清｢…そういう事言ってからかう奴やから、って言った｣

小｢あはは！嘘ついたんだ｣


清｢笑い事やないで…邪魔せんとって｣

小｢付き合うんですか？｣

清｢こたには関係ない｣


小｢明日家に来て下さい｣

清｢話聞いてた？｣

小｢僕には関係ないんでしょ？だから気にせず誘ってます｣