今日の社長は、珍しく予定が入っていないので、社内をアポ無し訪問する予定だそうだ
自分の会社の社員がどれほど熱心に働いているのか、気になるのだろう
しかし、この社長のアポ無し訪問で辞めていった人は少なくない
なぜなら、社長は少しでも会社に支障が出るようなことをする者がいれば、一瞬で首を切るのだから
まぁ、普通の格好で社内に入ると、一瞬でバレてしまうので、新しく入ってきた社員として社長は皆を見守っているのだ
私はというと、もちろん社長に付き合わないといけないので、私も変装をして社内を見学する
私は清掃員の仕事をすることになっている
清掃員の仕事は、周りの人がどんな人かをすぐに見極めることが出来るので、意外と人間観察が多く楽しい
おっと、もうこんな時間だ
私は今、社長の車で社長の準備が終わるのを待っている
運転手にそう声をかける
私たちの車の中は、気まづいの一言に尽きる
どちらも一言も話さず、かと言って相手に話しかけようともしない
運転手さんにはいつも申し訳なく思う
社長はずっと外を見ているので、わざわざ話しかけるわけにもいかないし…
まぁ、基本私は寝ているので問題は無い
社長の前で寝れるとか凄くないですか!?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。