そう言うと、彼は教室から出て行ってしまった
次の日からボムギュ、くんは学校に来なかった
先輩達も、たまに見るけど頻度が少ない
正直、彼が男の子で良かったって思ってる自分がいた
彼と話す度に、遊びに行く度に
女友達に抱く感情じゃない感情をふとした時に抱いていたから
今日もまた、誰もいない隣の席とスマホケースを見るだけで一日が終わった
あれから1週間が経った
いつも通り、授業プリントを机の中に入れるために
中を見ると、金曜日までプリントでいっぱいだったはずの彼の机の中が空っぽだった
もしかしたら、金曜日の放課後来てるのかもしれない
会えるなら、ボムギュくんに会いたくて
私は金曜日の放課後、あの日彼が男だと告げた時間帯まで残った
すると懐かしい声が聞こえた
振り向くと、髪をバッサリ切ったボムギュくんがいた
変わらず中性的な顔だけど
今の髪型の彼はひと目で男の人だと分かるぐらいだった
すると彼が近付いてきて、真剣な眼差しで私を見た
私が「はい」と返事すると、パッと顔が明るくなった
一緒に靴箱まで降りると、先輩たちがいた
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。