今のお母さんは
“ 2人目のお母さん ”
5歳の頃
私はどこかわからないトイレに放置された
外からは木や紐でガッチリ閉められていて
ここで死ぬんだって思った …
その時に叫んだ
「どこにいるのママ」って
「私わがまま言わないから」って
でも一日経っても誰も来なかった
そして次に目を開けた時は病院だった …
清掃員さんが見つけてくれて
病院へ行き最終的には児童施設
5歳の頃は分からなかったけど
凄く周りの大人が怖かったのを覚えてる
「こんな子引き取れない」
そう言ってたらい回しにされたのは覚えてる
一気に安心した香りに包まれる
ギュッとグクの背中に手を回した
5歳の時から弱音を吐くのはやめた
そうすればみんな私の周りにいてくれると思ったから
だけど私はいつぶりだろうか
弱音を言ってしまった
でも …もう1人にはなりたくない
大人の冷たい目を思い出すたびに
胸が締め付けられて苦しくなるから。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!