事が落ち着き一段落した頃、
呉羽は母 小春のお墓参りに来ていた。
「ママ、私今ねすごく幸せだよ。
ママが一緒にいないのは寂しいけど、毎日大好きな人達といれて幸せ。
それにね……………」
陸はニヤッと笑って固まる呉羽を残して先に歩き出した。
意味を理解して顔を赤く染めながら呉羽は陸を追いかけた───
“幸せのカタチ”は人それぞれである。
「好きな事が出来て幸せ」「美味しいものを食べれて幸せ」と色んなカタチがある。
私、勅使瓦 呉羽の幸せは、
大好きな人達と毎日一緒にいられること。
普通の日々を過ごせること。
「あなたの“幸せのカタチ”は何ですか?」
──END──
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。