第4話

異変
65
2021/07/26 17:01
呉羽の母、心春に会って2日経った月曜日……
時乃 朝陽
時乃 朝陽
──真城、おはよう
真城 美月
真城 美月
あっくんに陣ノ内くん、おはよう
陣ノ内 陸
陣ノ内 陸
……はよ
時乃 朝陽
時乃 朝陽
あれ、勅使瓦は?今日おらんの?
真城 美月
真城 美月
まぁ、うん………
陣ノ内 陸
陣ノ内 陸
……………
月曜日、呉羽は学校に来なかった。
そして、火,水,木…………と1週間来なかった。
次の週の月曜日………
勅使瓦 呉羽
勅使瓦 呉羽
──みんな、おはよう!
真城 美月
真城 美月
呉羽………!
時乃 朝陽
時乃 朝陽
やっと来たね!
勅使瓦 呉羽
勅使瓦 呉羽
なんやら、心配かけました(笑)
時乃 朝陽
時乃 朝陽
それにしても、1週間も休むなんて……
なんかあったん?
勅使瓦 呉羽
勅使瓦 呉羽
うーん………ちょっとね、色々あって…
陣ノ内 陸
陣ノ内 陸
……………
勅使瓦 呉羽
勅使瓦 呉羽
よぅ、陸。久しぶりなのにあんたはなんも言わんのかい!
陣ノ内 陸
陣ノ内 陸
久しぶりって、たかが1週間やろ……
勅使瓦 呉羽
勅使瓦 呉羽
寂しかった~?(笑)
陣ノ内 陸
陣ノ内 陸
全然
勅使瓦 呉羽
勅使瓦 呉羽
相変わらずの無愛想ね
あ、私先生のとこ行かな!
そう言って、呉羽は教室を出ていった。
残った3人は………
真城 美月
真城 美月
……………
陣ノ内 陸
陣ノ内 陸
……………
時乃 朝陽
時乃 朝陽
……………
陣ノ内 陸
陣ノ内 陸
………おい
陣ノ内 陸
陣ノ内 陸
お前、なんか知ってんだろ?
真城 美月
真城 美月
……さぁね
陣ノ内 陸
陣ノ内 陸
真面目に答えろよ
真城 美月
真城 美月
私は何も知らん。
………例え知ってても言わんよ。
時乃 朝陽
時乃 朝陽
いつもの勅使瓦と明らかに違うよね…
挙動不審、充血した目、腫れた瞼、絆創膏の数……
時乃 朝陽
時乃 朝陽
どうする、陸………
陣ノ内 陸
陣ノ内 陸
……………
一旦、様子を見ることにした3人

ずっと呉羽を観察していた。
教室移動中……
真城 美月
真城 美月
……呉羽、危ないっ!
勅使瓦 呉羽
勅使瓦 呉羽
えっ……!………いったァァァア!
真城 美月
真城 美月
……………
思いっきり壁にぶつかった。
勅使瓦 呉羽
勅使瓦 呉羽
…うおっ!………ぶへっ!
陣ノ内 陸
陣ノ内 陸
……………
つまづいてこけた。
授業中………
先生
──次、勅使瓦さん
勅使瓦 呉羽
勅使瓦 呉羽
はい…Les herbivores passent la……
先生
勅使瓦さん!?
勅使瓦 呉羽
勅使瓦 呉羽
……はっ!す、すみません!
全く違う言語で読んでましたっ!
時乃 朝陽
時乃 朝陽
……………?!
そして、観察し始めてから4日経って、
ついに金曜日となった……
陣ノ内 陸
陣ノ内 陸
……おい
呉羽の目の前に陸が立ちはだかった。
勅使瓦 呉羽
勅使瓦 呉羽
な、何?
陣ノ内 陸
陣ノ内 陸
お前、何かあったやろ………
勅使瓦 呉羽
勅使瓦 呉羽
え……な、なんもないよ?
時乃 朝陽
時乃 朝陽
今日の勅使瓦、明らかにおかしかったよ。行動といい、言動といい……変や
時乃 朝陽
時乃 朝陽
なんかあるんなら話して。俺らにできることなら何でもするで………
真城 美月
真城 美月
……………
勅使瓦 呉羽
勅使瓦 呉羽
……心配してくれるのは有難いんやけど、ほんとに何もないよ。ありがとう
陣ノ内 陸
陣ノ内 陸
……………
時乃 朝陽
時乃 朝陽
……………
勅使瓦 呉羽
勅使瓦 呉羽
……ねぇ、この後暇?
遊びに行かへん?
真城 美月
真城 美月
……私は別に良いわよ
時乃 朝陽
時乃 朝陽
お、俺も良いよ!陸も良いよね?
陣ノ内 陸
陣ノ内 陸
あぁ……
勅使瓦 呉羽
勅使瓦 呉羽
よしっ!なら行こっ!
そうして、4人は遊びに行き、充実した放課後を過ごした。
そして、帰り………
時乃 朝陽
時乃 朝陽
──勅使瓦、ほんとに1人で大丈夫?
勅使瓦 呉羽
勅使瓦 呉羽
うん、大丈夫大丈夫!
陣ノ内 陸
陣ノ内 陸
用事ってなんだ………?
勅使瓦 呉羽
勅使瓦 呉羽
ちょっとしたおつかいだよ!
さっきママに頼まれちゃったの
真城 美月
真城 美月
私も一緒に行こうか?
勅使瓦 呉羽
勅使瓦 呉羽
いいよ、時間かかるかもしれんし……
陣ノ内 陸
陣ノ内 陸
ちょっとしたおつかいじゃねぇのかよ………
勅使瓦 呉羽
勅使瓦 呉羽
う………まぁ、いいから!
暗くなる前に帰りな!
時乃 朝陽
時乃 朝陽
勅使瓦もね
勅使瓦 呉羽
勅使瓦 呉羽
はいはーい、わかってるよ!
真城 美月
真城 美月
じゃあ、また月曜日………
時乃 朝陽
時乃 朝陽
またね、勅使瓦
陣ノ内 陸
陣ノ内 陸
………またな
勅使瓦 呉羽
勅使瓦 呉羽
うん……
挨拶をすると3人は駅の改札口を抜け、人混みの中へ消えていった。
勅使瓦 呉羽
勅使瓦 呉羽
…………じゃあね、みんな
勅使瓦 呉羽
勅使瓦 呉羽
さようなら


次の週、彼女はまた来なかった。

「どうせ、寝坊でもしたんだろう………」
あいつならありうる、そう思って待っていた。

そして、HRで先生から告げられた言葉………
先生
──勅使瓦 呉羽は転校した。

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