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第1話

プリンシパル
138
2021/07/26 16:45
※この話は方言がもろ出てます。
分からないとこは調べてもらえると有難いです。


────
「ままぁ~、“しあわせ”ってなぁに?」
「“幸せ”?………うーん、そうだなぁ
幸せってね人それぞれで違うの。」
「ちがう?」
「うん、ご飯が食べれて幸せって人もいれば、動物園や水族館に行けて幸せって人もいるの。」
「へぇ~」
「ママの“幸せ”は、パパとかゆいちゃんとか好きな人と過ごせることかな!」
「ゆいちゃんもねっ、ぱぱとままといっしょでしあわせだよっ!ゆいちゃん、ぱぱとままのことだぁいすきだもんっ!」
「ゆ、ゆいちゃん………
ママもだぁ~い好きだよっ!!!」
そして親子は熱い抱擁を交わした。
「─ただいま」
「あ、パパが帰ってきたみたいだよ!」
「ぱぱおかいりぃ~!」
─────
彼らが現れると周りがざわつく。
道は自然と開け、皆が尊敬と憧れの眼差しを向ける。
「プリンシパルが来たぞ!」

ープリンシパルー
この学園の主要的な者たちのこと。
生徒会よりもトップの存在。
この存在がなぜ出来たかは不明だが、確実に言えることは、彼らの存在が大きすぎる事。
「“ミステリアスプリンセス”だ。美しい……」
真城 美月
容姿端麗、頭脳明晰。発明の才能がある彼女。
彼女はクールビューティで謎多き人物のため周りからそう呼ばれる。
真城 美月
真城 美月
──今日も人が多いわね
私の発明で消そうかしら
「“ツンデレプリンス”もいる~ッ♡」
時乃 朝陽
彼もまた容姿端麗、頭脳明晰。誰でも平等に分け隔てなく接し、教師からの評判もいい。
彼は面倒見がいいが褒めるとツンツンするため周りからそう呼ばれる。
時乃 朝陽
時乃 朝陽
やめとけ、真城。大問題になるぞ
「“氷の王子”今日もかっこいい~ッ♡」
陣ノ内 陸
彼はずば抜けて容姿端麗、頭脳明晰。いつもクールだがそんな姿に憧れる男子、好意を持つ女子は数知れず、どんな人も魅了してしまう。
いつも無で人に冷たく当たるためそう呼ばれる。
陣ノ内 陸
陣ノ内 陸
うるせぇな………
そして………
「“陽だまりの姫”、我らの光ッ!」
勅使瓦 呉羽
この学校、いやこの県一の美女。
学校以外でも知る人が多い有名人。
明るく社交的で誰にでも優しいがちょっと抜けているところもあるためそう呼ばれる。
勅使瓦 呉羽
勅使瓦 呉羽
ねぇ、「プリンシパル」って何?
真城 美月
真城 美月
……………
時乃 朝陽
時乃 朝陽
……………
陣ノ内 陸
陣ノ内 陸
………バカ
勅使瓦 呉羽
勅使瓦 呉羽
バ、バカとはなんだぁ!
陣ノ内 陸
陣ノ内 陸
本当の事を言ったまでだ
真城 美月
真城 美月
まぁ、確かにそうねぇ
勅使瓦 呉羽
勅使瓦 呉羽
美月!?
陣ノ内 陸
陣ノ内 陸
バカバカアホー
勅使瓦 呉羽
勅使瓦 呉羽
な、なんだとぉ!?
時乃 朝陽
時乃 朝陽
り、陸………
今は傍から見ても仲の良い(?)この4人だが、出会いは最悪だった。
高校1年生の春  入学式
勅使瓦 呉羽
勅使瓦 呉羽
広い所やねぇ
真城 美月
真城 美月
呉羽、逸れんといてよ
勅使瓦 呉羽
勅使瓦 呉羽
わかってるよ~
教室に向かう途中、呉羽と美月は中庭に通じる通路を歩いていた。
勅使瓦 呉羽
勅使瓦 呉羽
桜、綺麗やね………
中庭に咲く桜の木に見とれていると、急に強い風が吹いた。
勅使瓦 呉羽
勅使瓦 呉羽
わっ!な、なんや、強い風やなぁ
真城 美月
真城 美月
呉羽、あんたパンツ丸見えやったよ
勅使瓦 呉羽
勅使瓦 呉羽
え……だ、大丈夫!
周りに人はいないかr………
真城 美月
真城 美月
……思いっきしいたわね
そう、2人の視線の先にいたのが陸と朝陽だった。
陣ノ内 陸
陣ノ内 陸
……………
時乃 朝陽
時乃 朝陽
……………//
勅使瓦 呉羽
勅使瓦 呉羽
み、見てないはずよ………!
真城 美月
真城 美月
黒髪じゃない方ちょっと照れてるけど
勅使瓦 呉羽
勅使瓦 呉羽
……………
真城 美月
真城 美月
バッチリ見られたわね
勅使瓦 呉羽
勅使瓦 呉羽
最悪や………
2人がコソコソ話していると、ようやく陸が口を開いた。
陣ノ内 陸
陣ノ内 陸
………高校生にもなってうさぎパンツはダサいぞ
時乃 朝陽
時乃 朝陽
……………
そう言うと2人は去っていった。
残された呉羽と美月はというと…………
勅使瓦 呉羽
勅使瓦 呉羽
な、なによあいつ!人の下着にケチつけよって!うさぎ可愛いやん!
真城 美月
真城 美月
第一声がパンツの評価………(笑)
勅使瓦 呉羽
勅使瓦 呉羽
み、美月ぃ(泣)  笑わんでよぉ~!
これが4人の出会いだった。
その後、まさかの同じクラスで前後同士の席、時が経つにつれ仲良く(?)なっていったのだ。


そして、1年後の現在(高校2年生)
勅使瓦 呉羽
勅使瓦 呉羽
ねぇ、みんな今日の放課後暇?
真城 美月
真城 美月
暇やけど、なんで?
勅使瓦 呉羽
勅使瓦 呉羽
ここ行かん?
そう言って突き出したのはケーキバイキングのチラシだった。
時乃 朝陽
時乃 朝陽
ケーキバイキング?
勅使瓦 呉羽
勅使瓦 呉羽
そう!ここまだ行ったことないし、結構安いやろ?
陣ノ内 陸
陣ノ内 陸
お前、太るぞ
勅使瓦 呉羽
勅使瓦 呉羽
なっ、大丈夫やし!運動しとるもん!
陣ノ内 陸
陣ノ内 陸
どこがや、腹出とるくせに
勅使瓦 呉羽
勅使瓦 呉羽
出てへんわ!
真城 美月
真城 美月
あんたら、うるさい
真城 美月
真城 美月
で、なんでケーキバイキング?
勅使瓦 呉羽
勅使瓦 呉羽
だって、あっくん好きやろ?
時乃 朝陽
時乃 朝陽
お、俺?……まぁ嫌いではないけど///
照れながら言う朝陽を3人はガン見。しばらく無言が続いた。
そして………
勅使瓦 呉羽
勅使瓦 呉羽
あっくん、可愛ええなぁ(笑)
真城 美月
真城 美月
あっくん、甘い物好きやもんなぁ(笑)
陣ノ内 陸
陣ノ内 陸
………あっくん
時乃 朝陽
時乃 朝陽
あっくん言うな!///
散々いじったあとはみんなでケーキバイキングを食べに行きましたとさ。

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