※この話は方言がもろ出てます。
分からないとこは調べてもらえると有難いです。
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「ままぁ~、“しあわせ”ってなぁに?」
「“幸せ”?………うーん、そうだなぁ
幸せってね人それぞれで違うの。」
「ちがう?」
「うん、ご飯が食べれて幸せって人もいれば、動物園や水族館に行けて幸せって人もいるの。」
「へぇ~」
「ママの“幸せ”は、パパとかゆいちゃんとか好きな人と過ごせることかな!」
「ゆいちゃんもねっ、ぱぱとままといっしょでしあわせだよっ!ゆいちゃん、ぱぱとままのことだぁいすきだもんっ!」
「ゆ、ゆいちゃん………
ママもだぁ~い好きだよっ!!!」
そして親子は熱い抱擁を交わした。
「─ただいま」
「あ、パパが帰ってきたみたいだよ!」
「ぱぱおかいりぃ~!」
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彼らが現れると周りがざわつく。
道は自然と開け、皆が尊敬と憧れの眼差しを向ける。
「プリンシパルが来たぞ!」
ープリンシパルー
この学園の主要的な者たちのこと。
生徒会よりもトップの存在。
この存在がなぜ出来たかは不明だが、確実に言えることは、彼らの存在が大きすぎる事。
「“ミステリアスプリンセス”だ。美しい……」
真城 美月
容姿端麗、頭脳明晰。発明の才能がある彼女。
彼女はクールビューティで謎多き人物のため周りからそう呼ばれる。
「“ツンデレプリンス”もいる~ッ♡」
時乃 朝陽
彼もまた容姿端麗、頭脳明晰。誰でも平等に分け隔てなく接し、教師からの評判もいい。
彼は面倒見がいいが褒めるとツンツンするため周りからそう呼ばれる。
「“氷の王子”今日もかっこいい~ッ♡」
陣ノ内 陸
彼はずば抜けて容姿端麗、頭脳明晰。いつもクールだがそんな姿に憧れる男子、好意を持つ女子は数知れず、どんな人も魅了してしまう。
いつも無で人に冷たく当たるためそう呼ばれる。
そして………
「“陽だまりの姫”、我らの光ッ!」
勅使瓦 呉羽
この学校、いやこの県一の美女。
学校以外でも知る人が多い有名人。
明るく社交的で誰にでも優しいがちょっと抜けているところもあるためそう呼ばれる。
今は傍から見ても仲の良い(?)この4人だが、出会いは最悪だった。
高校1年生の春 入学式
教室に向かう途中、呉羽と美月は中庭に通じる通路を歩いていた。
中庭に咲く桜の木に見とれていると、急に強い風が吹いた。
そう、2人の視線の先にいたのが陸と朝陽だった。
2人がコソコソ話していると、ようやく陸が口を開いた。
そう言うと2人は去っていった。
残された呉羽と美月はというと…………
これが4人の出会いだった。
その後、まさかの同じクラスで前後同士の席、時が経つにつれ仲良く(?)なっていったのだ。
そして、1年後の現在(高校2年生)
そう言って突き出したのはケーキバイキングのチラシだった。
照れながら言う朝陽を3人はガン見。しばらく無言が続いた。
そして………
散々いじったあとはみんなでケーキバイキングを食べに行きましたとさ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!