〈松村 穂波〉
んん..
あの人らに殴られて気失ってたんだっけ
今何時だろ
今日は6限目まであるからゆっくりしよう
屋上の一角
私は隠れるように
フェンスに持たれ誰にも聞こえない
小さな声で歌った
その時
授業をサボったあの人に
聞かれてるのは知らなかった
1人しかしないけどさ
なんで私って産まれてきたんだろう
人に迷惑しかかけてないのに
こんなんだったら産まれてこない方が良かったのに
クラゲになりたい
このままいなくなりたいよ
そんなこんなでボーっとしてたら6限目が終わった
体育館裏...行かないと
行かなかったらもっと酷い事されるから
そう思いながら
重たい自分の足を動かす
そして来てしまった体育館裏
待ってればくるよね
その数分後だった
聞き馴染みの声が聞こえて
楽しそうに笑ってる声が
これから人を殴り蹴り罵る人たちの声が
そう言って3人よってたかって私を殴る
殴って殴って殴って
私が倒れ込んだらこれでもかってくらいに蹴る
もう殺してよ
そんなに私の事を苦しめるのなら
もう殺して
もう死にたいの
そんな時だった
声が聞こえた
知ってる声だった
1度...私を殺しかけ、私が呪いをかけた人の声だった
うっすらと
今にも途切れそうな意識を何とか繋いで
声のした方を見た
そしてら
3人を軽蔑するような目で
佐久間さんは見てて
その隣には
阿部さんも居た
その時ふと気配を感じた
その方向には
スマホを持っていたラウールくんが居た
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。