〈松村 穂海〉
私はひとつの怒鳴り声と
体に走る痛みで起きた
それから昼休みいっぱい殴られた
体中が痛くて声すら出ない
何処にも力が入らない
でもこの人たちはそんなんお構い無しに殴ってくる
殴って蹴って
気が済むまで
...そうだよね
私が死んだって
誰も悲しまない
喜ぶぐらいだよね
私には生きる意味も、価値も無い
虫けら以下だよ
だったら死にたい
そんなに死んで欲しいなら殺してよ
もう疲れた
そう言ってまた殴る
起きたら殴られるとか
神様...不平等すぎだよ
私前世でどんな悪い事してたんだろう
きっと私は前世罪人とかだったのかな
そうとしか思えないよね
こんなにも辛い思いしないといけないなんて
私よりも辛い人がいるのは知ってるよ
私よりも苦労してる人が沢山いる事も
分かってるよ
わかってるの
だから我慢しないといけないじゃん
こんな事で苦しんじゃダメなんだよ
何か言った所で辞める人では無いのはわかってる
どうせ「うるさい」で終わるんだろう
誰も助けてはくれない
誰も見ることすらしない
誰も心配もしない
私がいて何になるんだ
居るだけ無駄なんだ
どんどん悪い方向へと思考が進んで
どんどん意識が薄れて
私はそのまま意識を手放した
そう言って3人は出ていった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。