〈松村 穂海〉
あんなに騒いでいた1夜は一瞬にして過ぎ去って行った
やっぱり学校に行くのは憂鬱
それに昨日の事があるから少し怖い
それでもラウールくんに助けを求められるのは昼休みと放課後
一つ一つの休み時間は地獄でしかない
そういいラウール君と別れ
[ガラガラ]
教室に入った瞬間
[バシャーンッ]
全身が濡れた感覚があったのと同時に
わかってた
こうな事が怒ることぐらい
覚悟はしてたつもりなのに
なんで...
もう本当に嫌
やっぱり何も変わらない
やっぱり虐められるんだ
誰も助けてはくれない
こうしてまた私は屋上に逃げる
全身が濡れてて寒い
乾かさないと
燃堂力で何とかなるのかな
とりあえず表面上だけは乾かした
それでも肌が冷たくて寒気が収まらない
風邪ひいちゃうのかな
私はしばらく日向ですごした
太陽が気持ちいい
このままスっと居なくなってしまいたい
そしたらどれほど楽で幸せか
どうせ悲しむ人なんて居ないのだから
こんな私が死んだところで
誰一人として悲しまない
皆をどうでもいいって思ってる
そして2,3日したら私なんか忘れるんだ
そして私は屋上の一角
陽の当たる所で少し寝る事にした
次に起きたら天国とかだったらいいのにな〜
そんな甘い話
あるわけないよね
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!