第43話

お姫様だっこ
398
2022/06/21 14:12







1月下旬


体調が次第に悪くなり、学校を休む頻度が増えた。




今は3時間目の授業中。

とても、頭が痛くてふらふらする。

今日は1、2組の合同で授業をしている。

近くでは、豆原くんがチラチラと私の様子を見てくれている。


私は、なんとか耐えようと思って我慢してみる。

もうダメだ、我慢しきれない

と思ったとき、体からフッと力が抜けた。


"バタン"


どこにも力を入れることができなくて、私はそのまま椅子から崩れ落ち、倒れた。

そして意識が遠くなってきた。



豆原一成
豆原一成
っ!!
鶴房汐恩
鶴房汐恩
あなたの下の名前!!!
河野純喜
河野純喜
!!
木全翔也
木全翔也
えっ?
中尾歌葉
中尾歌葉
あなたの下の名前!
青葉日向
青葉日向
っちょ、!
先生
先生
なんだなんだ!!?どうした!?
中尾歌葉
中尾歌葉
先生!あなたの下の名前が、あなたの下の名前が!
先生
先生
とりあえず、保健室に連れていった方がいいな
鶴房汐恩
鶴房汐恩
……俺が運ぶ、あなたの下の名前を保健室まで連れてく


そう言ってあなたの下の名前をお姫様だっこをして持ち上げた。

周りの女子は少しざわついたが汐恩は気にしなかった。


あなたの下の名前の体は思ったよりも軽かった。

汐恩はそのまま優しくベッドの上に寝かせた。

そして、頭をゆっくり優しく撫でた。


鶴房汐恩
鶴房汐恩
……無理すんなって言っただろ……
鶴房汐恩
鶴房汐恩
なんで、急にこんなに体調が悪くなっちまったんだ?
鶴房汐恩
鶴房汐恩
今までの元気で可愛いあなたの下の名前はどこに行ったんだよ……


汐恩があなたの下の名前に話しかけても、あなたの下の名前は返事をしない。

息はしてる、気絶してるようだ。

なぜか、あなたの下の名前がこのまま遠くに行っちゃって、もう二度と会えないのではないかと思うと涙ご溢れてきた。

鶴房汐恩
鶴房汐恩
あなたの下の名前……







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