僕の足元に転がっている死体は何?
ー数分前
「学くん。」
明るい声でルイスちゃんの祖父は僕の名前を呼ぶ。
用件を聞くと
「ルイスとおばあちゃんがトイレに行っている間にあそこのパン屋でフルーツサンドを買ってきてくれないかな?」
そこまで難しい頼みでもなかったので、引き受けた。
ーパン屋
パン屋に着くとあまり混んでいなくて、僕以外に数人いる程度だったので、直ぐにお使いを済ませて戻ろうと思っていた。
まぁ、人が少ないのは店が狭いのもあるだろう。
とりあえず、いちごの挟んであるサンドイッチにしようとか考えていた矢先…
「きゃあああああああああ」
女性の悲鳴が聞こえた。
直ぐに、悲鳴が聞こえた方へ向かった。
すると、悲鳴の主はパン屋の厨房の奥にある裏口を出たところにいた。
駆け寄ると、そこには…
たくさんの死体や、人体の一部があった。
「直ぐ、この店を封鎖して!!誰も外に出さないでください!!」
・・・
僕が言おうとしていた。この言葉…
これは僕の言ったものではない。
その声は知っているような知らないような声をしていた…
その声の主の顔は知らない。
でも…その声は、僕に忘れかけていた“対抗心”と懐かしさを思い出させた。
…一体こいつはなんなんだ?
そんな疑問が僕に浮かんだ。
だが、優先すべきはこの事件…。
この疑問は、僕の頭の片隅に放置して、
僕は謎を解く…
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。