私がなにかある、と言った時紅寧はあからさまに溜息をついた。

やっぱり。
なんで、言ってくれなかったの?

迷惑、かけたくなかったから。
紅寧は、沈黙に走る。
けど、すぐにまた話す。

どんなことされたかは追求しないけどさ、辛かったら話しかけてよ。

心配、だからさ。

でも、私にとっては大事な親友だし、初めて私の事を理解してくれた人だからさ、だからこそ迷惑とか心配をかけたくなかったの。

親友だって思ってるなら、余計頼ってよ!
少し口調が荒くなる。
ただでさえ、不安になっているのに強めの口調で言われたら、ヒートアップしてしまう。

頼れるわけ無いじゃん!

知らない男に襲われかけたって!
刺々しい言葉で、言いたくなかった事をつい、溢してしまった。

…っ、これはッ!

それって、本当?
慌てる私と反して、紅寧は冷静に聞く。

ちがっ、うそっ、えっと……。
言葉が、出ない。

溜め込みすぎだって!
親友とかじゃなくて、普通に頼ってよ!

こんな内容、頼られたって何もできないでしょ!

私1人では何もできないけどさ、話聞くぐらいならできるよ!

私が話したくないの!

それに、こんな思いしてたって紅寧にはなんにもわかんないでしょ!

入り込もうとしないでよ!

勝手に協力しようとか言わないで!
今までも、喧嘩はあったけどそれはすべて犬猫とか、お菓子の趣味とかで、笑い合って解決できる話で、ここまで本気でぶつかったことはなかった。

はぁ?なにそれっ……!
私はただ頼ってって言ってるだけじゃん!
そりゃ、気持ちはわからないよ!他人だもん!
だけど、わからないなりに接そうとしてるんだよ!
それにそう言うなら、ななだって私がどれだけ心配しているか知らないじゃん!
お互いが、啀み合ってた時、小百合がお風呂からあがってきた。

2人とも、どうしたのさ……。
お風呂場にも聞こえてるよ。
つい、気まずくて、お互い違う方向を向く。

こんなこと、図々しいかもしれないけどね、2人が仲悪かったら、相談なんてできないよ……!

何で喧嘩したかは知らないけど、2人には喧嘩は似合わないよ……。
言葉が言い淀む。
気まずいまま、晩ごはんを食べる。
その際も会話は一切なく、ご飯を味気なかった。
楽しい修学旅行にする予定だったのに、何もつまらない。
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