たどり着いた小部屋の様な場所は普通の洋室の1つのような場所だった。
壁際に暖炉の模型と洋タンス、部屋の中心には赤みを帯びたソファとテーブルが置いてある。
ひび割れたシャンデリアが不気味に光り、怪しい雰囲気を醸し出していた。
と相も変わらず冷静に言う。
もしかしたらこの人、恐怖の感覚がないのかな?!
澄晴が壁際にあったタンスをいじってるけど、全く動かない。
こういう風に謎解き要素もあるんだ……。
少しずつ、ここの空気に慣れてきて冷静になってくる。
色んな方向から澄晴がソファをいじっていた。
すごく冷静でテキパキしながら。
……もしかして私必要ない?
一先ず部屋の色んなところをいじってみる。
タンスの扉、床の木目、テーブルの下……
澄晴も私も収穫がない。
暖炉のあちこちを触ってみると、奥の壁に何か感触があった。
まるで動かせそうな_____。
そのまま力を掛けるとガコッと開き、四つん這いで通れそうな程の通路があった。
ここがお化け屋敷ということも忘れ、解けた喜びを表現した。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。