あなたさんと、時間ギリギリまで話した。
ほんとにしょうもない俺の話だけど
笑って聞いてくれるその笑顔はほんとに天使。
いや、天使越え。
もう、最高。
それから、しばらくして悩んでいたけど
A型だ。
なかなか決まんない。
なんか、テレビで言ってたわ。
両方、大人気で2時間の行列が出来たらしい。
2時間も待って食べる物とかちょっと理解できない。
どうせ、胃に入ってしまうんだから
違う活用できるものに並んだ方がマシ。
意外とそういう所にこだわるんだよな。
あ ~ 、それならいい!って納得。
よかった。
本当にそう思う。
幸せすぎて怖い。辛い。
こんな幸せな時間が来るならきっと
苦しくて辛いことも起こりかねない。
それなら、いっそ早く苦しみ味わって
ずっと幸せを感じていたい。
あなたさんの指さす方向には隼…
と、そら。
もう、こういう所でそんなこと言わないで欲しい。
あなたさんに誤解されらたまったもんじゃない。
俺の元カノ。
言いたくねぇな。
友達っていうか…
は!?
じゃあね。ってあなたさんは教室に入っていった。
あのあなたさんの顔。
どこか俺を疑うような目で俺を見た。
ちょっと!
絶対誤解したし。
本気で殴りてぇ。
あいつ、、マジムカつく。
俺たちの間に入ってきた隼。
そら と話すことなんて何も無い。
俺は、せっかく仲直り出来たあなたさんだけで十分。
そらが隼に聞いた。
教えるなって隼に目で訴えた。
あ、そう。ってそらが流した。
先に行ってしまったそら。
あいつの中でいろいろごちゃごちゃになってんだよ。
親との問題もあるし、学校での問題もあった。
だから、ずっと俺に見せてきたあの姿は
あいつの本性で。
あの時は " 守ってやんなきゃ " って思ってた。
けど、今は今。
そんな思いなどもう思い出の奥深く。
俺はB組。
そらは、C組だっけな。
絶対関わるし。
あなたさんとの時間も削られるかもしれない。
俺には時間が無いんだ。
後4日。というタイムリミットもある。
そんな中、あいつにかまっている暇はない。
てか、当たり前だわ。馬鹿野郎。
教室に戻るとクラスメイトが俺らに寄ってきた。
わっ…超恥ずい。
みんなに知れ渡ってんの。
わ…尾行されてた…?
全く気づかなかった…
わ、感じ悪。
ぜってぇ、あなたさんの方がかわいい。
クラスメイトは去っていった。
好きな人のこと悪く言われて平気な奴がどこにいんだ。
俺らのいる窓際まで声が聞こえてくる。
何かやってんだ。
男子らが取っ組みあったりしてんだろ。
なに、そんな可愛い子いるわけ。
そら…?
あいつ、またなんかしてんの。
人にばっか頼みやがって…
はぁ。
巻き込むなよ。
はい!って俺に向かってくる足音。
俺はもう、頭にきた。
人ばっか巻き込みやがって何がしたいんだよ。
俺に頼み込んできた奴の前まで歩く。
そいつの耳元で
廊下に出て行った。
そらと目が合ってニコニコされたけど
俺は無視してその横を通り過ぎて行った。
マジムカつく。
困った時。
俺の行く場所。
それは音楽室。
いつもの定位置。
あなたさんの机が見える場所。
机に向かって何か書いている。
あんな場面目の前で言われたらそりゃそうなる…
もう、ほんとに人生終わった。
こっちみて…
そう、唱えると
俺と目が合った。
手を振ろうと左手を振ろうとしたら
あなたさんが目を逸らした。
え。
嘘だ…
いつもみたいに笑ってくれない?
隼に肩を叩かれる。
こいつ力強いからめっちゃ痛い。
いつもなら怒ってんのに…
怒れない。
隼ごときに怒る気力が出てこなくなった。
あなたさんに…無視された…
定位置から立ち上がって教室に戻る。
謝んないと。
ちゃんと誤解解かないと。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。