第19話

誤解
2,101
2018/12/02 13:27
あなたさんと、時間ギリギリまで話した。
ほんとにしょうもない俺の話だけど


笑って聞いてくれるその笑顔はほんとに天使。


いや、天使越え。


もう、最高。
玲於
あなたさん、今日はあなたさんの
行きたいところ行こうよ。
あなた

え?いいの?

玲於
うん。
それから、しばらくして悩んでいたけど


A型だ。


なかなか決まんない。
玲於
ねぇ、早く。
あなた

だって、決まんないんだもん。

玲於
何に迷ってんの?
あなた

ここのさ…ほら、
人気のアイス屋さんとクレープ屋さん。

なんか、テレビで言ってたわ。


両方、大人気で2時間の行列が出来たらしい。


2時間も待って食べる物とかちょっと理解できない。


どうせ、胃に入ってしまうんだから


違う活用できるものに並んだ方がマシ。


意外とそういう所にこだわるんだよな。
玲於
なら、二つとも行こ。
あなた

え!?

玲於
悩むんなら両方買った方がいい。
あなた

そ、そんな贅沢出来ないよ!

玲於
俺がアイス買うからあなたさんクレープね。
あ ~ 、それならいい!って納得。
よかった。
あなた

楽しみだな。

玲於
俺はあなたさんに会えるだけで幸せなのに
こんな贅沢な時間貰ってさ、罰が当たりそう。
本当にそう思う。


幸せすぎて怖い。辛い。


こんな幸せな時間が来るならきっと


苦しくて辛いことも起こりかねない。


それなら、いっそ早く苦しみ味わって


ずっと幸せを感じていたい。
あなた

あ、隼くんいるよ?

あなたさんの指さす方向には隼…















と、そら。
玲於
なに。
小森隼
いや、この子が玲於の居場所を教えてって。
そら
玲於、私C組。隣だ。よかった。
もう、こういう所でそんなこと言わないで欲しい。


あなたさんに誤解されらたまったもんじゃない。
あなた

玲於…?

玲於
あ…うん、この子転校してきて…
俺の元カノ。


言いたくねぇな。


友達っていうか…
そら
玲於の彼女です!
は!?
玲於
そら、何言ってんだよ。
そら
だって、ホントじゃん。
私達別れた覚えないから。
あなた

あ…そうなの…

じゃあね。ってあなたさんは教室に入っていった。


あのあなたさんの顔。


どこか俺を疑うような目で俺を見た。
ちょっと!


絶対誤解したし。


本気で殴りてぇ。


あいつ、、マジムカつく。
そら
別れてないって。
玲於
そら、もう別れたって言ってんじゃん。
玲於
お前いい加減にしろよ。
小森隼
ちょ、ちょ、ちょ!
ここじゃなんだから、ね!
違うとこ行こ!
俺たちの間に入ってきた隼。


そら と話すことなんて何も無い。


俺は、せっかく仲直り出来たあなたさんだけで十分。
そら
あの人があなたさん?
そらが隼に聞いた。


教えるなって隼に目で訴えた。
小森隼
ち、違うよ。ただの先輩。
あ、そう。ってそらが流した。
先に行ってしまったそら。
小森隼
なぁ、なんなんだよ。あの子。
玲於
知らね。
小森隼
一応元カノなんでしょ?
ちゃんとけりつけなきゃ。
玲於
そうだけどよ…
あいつの中でいろいろごちゃごちゃになってんだよ。


親との問題もあるし、学校での問題もあった。


だから、ずっと俺に見せてきたあの姿は


あいつの本性で。


あの時は " 守ってやんなきゃ " って思ってた。
けど、今は今。


そんな思いなどもう思い出の奥深く。
小森隼
意外としぶといかもよ?
玲於
俺はB組。


そらは、C組だっけな。


絶対関わるし。
玲於
これから何があるかわかんねぇな。
あなたさんとの時間も削られるかもしれない。


俺には時間が無いんだ。


後4日。というタイムリミットもある。


そんな中、あいつにかまっている暇はない。
小森隼
俺は玲於の見方だからな?
玲於
おう、さんきゅ。
てか、当たり前だわ。馬鹿野郎。
教室に戻るとクラスメイトが俺らに寄ってきた。
クラスメイト
おい、玲於。転校してきた子と
付き合ってるってホントかよ!?
玲於
は?
クラスメイト
あの子めっちゃ可愛いじゃん。
玲於、やるなぁ。
玲於
付き合ってねぇし。
クラスメイト
え、なら何?
玲於
ただの元カノ。アイツが
まだ付き合ってるって言ってるだけ。
クラスメイト
な ~ んだ。
でも、玲於今はあなたさんだろ?
小森隼
ど、どこでそんな情報を!?
クラスメイト
みんな知ってるぜ?
わっ…超恥ずい。


みんなに知れ渡ってんの。
クラスメイト
よく二人でデートしてんだろ?
めっちゃ目撃者いるから。
クラスメイト
玲於、モテんだから
それぐらい自覚しろよな!
クラスメイト
尾行する女子なんてうじゃうじゃいるから。
わ…尾行されてた…?


全く気づかなかった…
玲於
お、おう…
クラスメイト
てか、先輩のどこがいいの?
あのそらちゃんの方が良くね…
玲於
お前にはわかんなくていい。
わ、感じ悪。


ぜってぇ、あなたさんの方がかわいい。
クラスメイトは去っていった。
小森隼
なに、先輩の事言われて怒ってんの?
玲於
当たり前だわ。
好きな人のこと悪く言われて平気な奴がどこにいんだ。
小森隼
にしても、廊下うるせぇなぁ。
玲於
あぁ。
俺らのいる窓際まで声が聞こえてくる。
何かやってんだ。


男子らが取っ組みあったりしてんだろ。
クラスメイト
か、かわいい…
な、名前は…?
なに、そんな可愛い子いるわけ。
玲於
誰?
小森隼
さぁ。
クラスメイト
…な、なんという可愛い名前!?
俺、ずっとそらちゃんについてく!
そら…?


あいつ、またなんかしてんの。
そら
なら、頼み事していい?
クラスメイト
も、もちろん!
そら
玲於をさ私の彼氏にして?
クラスメイト
え…?
そら
なに?
クラスメイト
い、いやあいつ好きなやついるんだよな。
人にばっか頼みやがって…


はぁ。


巻き込むなよ。
そら
私の言うこと聞いてくれないの?
クラスメイト
い、いや…そんなことは…
そら
なら、お願いっ!
はい!って俺に向かってくる足音。
クラスメイト
玲於!
玲於
なに。
クラスメイト
そらちゃんと付き合ってあげて!
俺はもう、頭にきた。


人ばっか巻き込みやがって何がしたいんだよ。


俺に頼み込んできた奴の前まで歩く。
そいつの耳元で
玲於
お断り。
廊下に出て行った。


そらと目が合ってニコニコされたけど


俺は無視してその横を通り過ぎて行った。
マジムカつく。
小森隼
ちょっと、玲於!
玲於
なんだよ。
小森隼
みんな騒いでるんだけど。
玲於
なんで。
小森隼
なんであんな可愛い子を彼女にしないんだって。
玲於
んなの、俺の勝手だろ。
小森隼
そ、そうだけどさぁ。
困った時。


俺の行く場所。


それは音楽室。
小森隼
また、ここ?
玲於
嫌なら教室戻れば。
小森隼
い、いや。一緒にいる。
いつもの定位置。


あなたさんの机が見える場所。
玲於
あなたさんいる…
机に向かって何か書いている。
小森隼
先輩、勘違いしちゃっただろうね。
あんな場面目の前で言われたらそりゃそうなる…


もう、ほんとに人生終わった。
こっちみて…


そう、唱えると
玲於
あなたさん…!
俺と目が合った。
手を振ろうと左手を振ろうとしたら


あなたさんが目を逸らした。
え。
小森隼
見てないよ?
嘘だ…


いつもみたいに笑ってくれない?
玲於
うわ…見間違えた。
小森隼
しっかりしろよ ~ 。
隼に肩を叩かれる。


こいつ力強いからめっちゃ痛い。


いつもなら怒ってんのに…


怒れない。


隼ごときに怒る気力が出てこなくなった。
あなたさんに…無視された…
玲於
隼…帰るぞ。
定位置から立ち上がって教室に戻る。
小森隼
あ、もういいの?
玲於
うん…
謝んないと。


ちゃんと誤解解かないと。

プリ小説オーディオドラマ