第20話

キケンナカオリ
2,123
2018/12/02 14:18


" 玲於の彼女です "



そう言った女の子。
理解ができなかった。


玲於は否定してたけど
あなた

あ、そうなの…

私、玲於が私の事好きだって言ってくれて


付き合ったんだよね。


1週間だけど。
なのに、玲於彼女いたの。


しかも、こんなかわいい彼女。


なんで私なの。


あの子に飽きたから?


だから私にちょっかいかけたんだ。


智也くんの言う通りだったかもしれない。
所詮、遊びだったんだよ。
いてもいられなくなってその場を離れた。
玲於を見ると悲しそうな顔してる。


裏切られた私の方が悲しいから…
はな
あ、あなた。どうした?
亜嵐と話していたはなの所に来た。
あなた

私、間違ってたかも…

はな
え?なにを?
あなた

遊ばれてた。

はな
え?
あなた

彼女いたの。玲於に。

はな
は?なにそれ許せないんだけど。
でも…本当に玲於は遊びで付き合ったりするのかな。


そんな事しない。


玲於だって私は思ってる。


けど…ね。


私側に立ってみるとちょっと不安になる。
亜嵐
玲於は認めてるの?
あなた

否定してる。

亜嵐
なら、違うんじゃない。
あなた

なに、亜嵐玲於の肩持つの。

亜嵐
いや、そういうのじゃなくて。
意外と女子の意見より男子の意見を
飲み込んで聞いた方がいいってこと。
あなた

え?

亜嵐
男って素直なもんだぜ?
好きな子がいて照れて顔真っ赤にするとか。
他の男と話してたらムカつくし。
玲於のまんまだ。


玲於も気持ちがすぐわかる。


嫌な時は嫌な顔するし。


嬉しい時は子供みたいに喜ぶ。


照れてる時は耳まで真っ赤にして照れるし。
はな
確かに、意外とそうかも!
あなた

そ…うなの…?

亜嵐
玲於がそうとは限らないけど
男の意見を聞かずに決める前に
ちゃんと聞いてから決めな?ってこと。
たま ~ に、亜嵐っていい事言うんだもん。


ちょっとムカつくよね笑
あなた

なるほどね。

私は自分の席に戻った。


もう…


なんか気分悪いよ…


浮気されてるみたいなもんじゃんか。


別に…




















好きでもないのに。






















今日の放課後は無しにしよう。


きっと、玲於も嫌だと思うし。


こんな状態で遊ぶなんて。


私達、すれ違いしか起こってない。



【今日はなしにしよっか。】




メモ帳にそう書いた。


玲於の出る前に下駄箱に入れよう。
書いた紙をポケットに入れた。
あなた

…!

上を見ると玲於と隼くんがいる。


玲於と目が合ってニコニコしてる。


なに…ちょっと意味わかんない。
私の気持ちなんか…知らないくせに…
逸らした。


玲於と目を。
あなた

無言で筆箱にシャーペンを閉まった。


なんで…?


なんで私が玲於のことで振り回さなきゃいけないの。


別に…?


好きじゃないから。


玲於なんか。


ただの…恋愛ごっこ。


そうだよ。


付き合わされてんの。
手に力が入るのを確認して目が熱くなる。
あなた

やだっ…私…何泣いてんの。

拭いても拭いても止まらない涙。
はな
ちょっと…!あなた!
あなた

はなっ…

はなが駆け寄ってきてくれる。


もう…


やだ。
はな
何泣くことないじゃん。
あなた、玲於の事好きじゃないんでしょ?
あなた

うん…

確かに。


私が泣く意味はどこを探しても見つからない。


そう思っていたが、後に見つかることになる。
はな
早く気づきなよ…
上手く、はなの声が聞き取れず
あなた

え…?

はな
ううん。なんでもない。
ずっと抱き締めてくれる。


はな。


だいすき。


もう、私はななしじゃ生きていけない。
.
はな
ほら、、その紙渡してきな?
放課後。


まだ、誰もいない昇降口。


いち早くカバンを片付けて走って来た。
あなた

うん…

1年生の下駄箱に足を動かす。


重い…
亜嵐
嫌なら俺がしようか?
あなた

大丈夫。私が…




「あなたさん…!!」



私を呼ぶあと声。
あなた

玲於…?

玲於が前みたいに息を切らして私に近寄る。


なんとなく足が動いて後退り。
玲於
なんで先行っちゃうの…
あなた

なんでって…!
玲於。付き合ってんだね。

玲於
だから、あれは違う、誤解だって。
あなた

何が誤解なの。

玲於
アイツがそう言ってるだけで
もう付き合ってないよ。
あなた

なに、もうって…
元カノなの。

玲於
そう。
あなた

なら、わかんないじゃん。
ほんとに付き合ってんのかもしれないよ?
玲於が気づかないままここまで過ごしたのかも。

玲於
それは無い…!
あなた

なんで言いきれるの。

やばい。


めっちゃ泣いてるじゃん。私。


泣くなよっ…
すると、玲於の顔が徐々に赤くなる。
玲於
今は…あなたさんが本気で好きだから。
あなたさん無しじゃ生きていけない。




" 好きな子がいて照れて顔真っ赤にするとか "




亜嵐の言った言葉が蘇る。
玲於
正直、俺あんま嫉妬しない。
けど…
玲於の手に力が入る。
玲於
亜嵐さんとか男子と話してるだけで
むかむかしたり勉強が頭に入ってこない。
そんなの授業どころじゃなくなる。




" 他の男と話してたらムカつくし "




玲於
ずっとずっと…俺の頭にはあなたさんがいる。
目を充血させて話す。
あなた

玲於
だから、ほんと誤解だから…
玲於の真剣な目。


信じても…いいの…?
あなた

ほんとに…?

玲於
うん。
俺嘘つかない。
あなた

うん…

急に玲於に手を引っ張られて飛び出した。
あなた

玲於!?

玲於は何も答えず無心で走る。


ちょっと!
出てきたのは…ここクレープ屋。
玲於
早く食べよ。
あなた

は!?

玲於
もう、早くあなたさんと食べたくて…
あなた

それは…嬉しいんだけどね?
私達上履きなのね?

何事も気にしてなかった玲於だが


さすがにそれに気づいた時は恥ずかしそうに


頭をかいた。
玲於
やべ。
あなた

ふふっ…

玲於
なに?
あなた

いやっ…私達だけちょっと変だなって。

玲於の足を見てるだけで笑えてくる。
玲於
だな。
いつの間にか私達は笑っていた。


前みたいに。
玲於
さっ。食べましょ。
近くの座るところに来て座る。
あなた

だから、玲於あっちだって。

絶対私の隣座ろうとするし。


なんなの。かわいいよ?
玲於
あ…
ちょっと学んだのかスっと向かいに座った。
私の手にはクレープ。


玲於の手にはアイス。


順番に食べてく。
あなた

やばっ。めっちゃ美味しい。

玲於
どれ?
あ っと口を開けて待っているような玲於。
あなた

欲しいの?

玲於
ちょうだい。
あなた

くださいは?

玲於
だるっ…笑
あなた

ほらほら、、早く。

玲於、じらせるの可愛い。


楽しくなってきた時。
玲於が私の口にキスをした。
あなた

え…

玲於
やりかえし。
一瞬だったが玲於の唇に触れた…
玲於は慣れない事して耳を真っ赤に染めている。
あなた

不意打ち怖っ…

心臓に悪いかも。
今、ドキドキして止まらない。


脈数めっちゃ上がってる。
玲於
口にクリーム着いてたから。
どんな味なのかなって。
なかなか食べさせてくんないから。
あなたさんが悪い!ってなった。
あなた

ほ、ほら。はい。

食べていた手を止めて差し出す。
玲於
も ~ 、大丈夫。
十分美味しかった。
そう言ってニヤついた玲於の顔。


ちょっと大人な悪巧み顔。




















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