第9話

お誘い
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2018/11/22 12:35
玲於side
小森隼
玲於 ~ 、やるねぇ!
こいつ、小森隼。


俺の幼馴染。


高校までついてきやがった…


そして同じクラス。


ついてな。


って思いたいところだけど…隼がいてくれて安心もした。
玲於.
めっちゃ嬉しい…
一目惚れした


あなたさんと付き合うことが出来た。


いや、それは俺の一方的な恋で…


あなたさんは俺の事なんかこれっぽっちも思ってない。
小森隼
玲於からなんて珍しいよね。
玲於.
俺もビックリしてるよ。
絶対落としてみせる とか言ったけど…


実際、全くその気はなかった。


ゆっくり、ゆっくり距離を縮めていこうかな。


って思ってたぐらい。


けど、いつも隣にいる…カッコイイ先輩が


多分…あなたさんのことが好きっぽかった。
俺、そういう所は勘が鋭い。
小森隼
先に千手打って良かったね。
玲於.
いいのか…?
俺、めっちゃ臆病。


慎重派。


相手から行動してもらわないと動けないタイプ。


そんな俺が…あんな申し込み…
1週間とか…バカだろ。俺。
小森隼
流石に1週間ってキツくない?
玲於.
まぁ。1週間が終わったら
もう関わらないつもりだし。
そうじゃなきゃあなたさんが可哀想。


1週間の俺には短すぎる期間をわざわざ俺のために


削ってくれてるんだから。


あなたさんにしたら


長くて最悪な1週間なのかもしれないけど…


あ ~ 。


なんかネガティブになってきた…
小森隼
でも、ちゃんと誘えたの?
玲於.
…まだ返事はないけど。
小森隼
も ~ 、聞きに行かなきゃ!
そんないちいち返事しに来ると思う!?
玲於.
あ ~ …
小森隼
ほんとに鈍感。
早く、次移動教室やでそのついでに聞きに行こ!
隼に言われるがまま教科書をだして廊下に出る。


その途端、廊下にいた女子が騒ぎ出すのがウザイ。
小森隼
なんで先輩なのかねぇ ~ !
わざと俺に聞こえるぐらいの声で言う。
玲於.
うるせ。
俺も分からない。


気づいたら先輩を目で追っていた。


音楽の時。


音楽室から見える先輩の教室。


廊下側にはあなたさんが授業を受けているのを知った時。


俺は初めて音楽が楽しみで仕方がなくなっていた。
それを楽しみにずっと見ていた。


友達からも 何見てんの? って言われるけど


絶対教えない。


先輩、可愛いから…!


みんなにとられる。
その日、横目でちらっと見た時。


あなたさんが俺を見ていた。


やばい…!


俺の思いが通った!?


今まで絶対そういうの信じてこなかった俺が初めて


テレパシーってものをその時信じた気がした。
だけど、先輩は俺を見ているのか定かではない。


違うものを見てるのかも。


だから、口パクで聞いてそれで答えてくれたなら…!


って考えて口パクで話した。
すると、先輩も答えてくれた。


ほんとに嬉しかった。


もう、今までにないぐらい。


早く、隼に言いたい…!
って感じの経緯であなたさんが好きです。
小森隼
ほら、もうすぐ。
あとすこし歩けばいつも見ていた先輩の教室。


会える…!
が、後ろには大量の女子。


なんなの。


ウザイ。
小森隼
玲於、顔!
隼に注意されムスッとしていた顔を引き上げて笑顔を作った。
玲於.
行ってきやす…
あなたさんが窓から覗いているのに気づき


すぐさま駆け寄った。


けど、戻ってしまった!


咄嗟に先輩の名前を呼んで
玲於
あなたさん!
これでも精一杯…
あなた

なに?

そう答えるあなたさんはほんとに…かわいい。
あ、笑顔 笑顔…
頭に浮かんだあなたさんに対する思い…
玲於
好きです。
あ…
隼を見ると グッ って親指を立てて合図。


これで良かったんだ。


ふ ~ 。
あなたさんを見ると顔を赤らめて
あなた

な、なに、急に…

玲於
俺なりの愛情表現っす。
あ ~ !


なんか暴走してる。


俺の頭の中に暴走族が走ってる。
あなた

あ、あ、そう…?

はい!


って笑顔で答えた。


つもりだけど…


引きつってないかな。


心配。
そろそろ…時間がやばい。


もう離れないと。
あ、俺が一番聞きたかったこと…
玲於.
じゃ!放課後大丈夫ですか…?
前の じゃ! の意味は俺もわかんねぇ。
するとあなたさんはちょっと戸惑ったように


大丈夫 って答えた。
よかった…


朝早く来て隼と入れた甲斐があった。
隼と移動教室に向かうけど…
小森隼
顔真っ赤や。
玲於.
…うっせ。
緊張した…


死ぬかと思った…


あんなこと言ったことないし…
小森隼
これで放課後デートの予約も取れたし!
次はプランを考えなきゃね。
玲於.
やっぱ、カフェとか?
小森隼
ん ~ 、玲於にはまだ早い。
玲於.
は?
小森隼
玲於、二人っきりになって
何か話すこと思いつく?
玲於.
そりゃ…
何か話すこと…


話すこと…
小森隼
ね。
思いつかなかった。


もう、、最悪。
小森隼
だから、今日はゲーセンに行ってこい!
玲於.
げ、ゲーセン!?
小森隼
色んなものに助けられるから。
玲於.
なに、色んなものって。
小森隼
行ったらすぐ分かる。
玲於.
ふ ~ ん…
小森隼
玲於の得意分野発揮できるチャンス!
玲於.
チャンス…
俺の得意分野。


UFOキャッチャー。


中学の時、無限に隼と取ってて店の人に怒られたわ。


それぐらい、得意。
小森隼
おう、今日はとりあえず楽しんでこい!
隼…


たまにはあてになるじゃん!
玲於.
ありがとな。
小森隼
何か奢ってね。
まぁ、隼の事だからこうなるとは思ってたけど…


俺が得してでは絶対終われない。


最後まで隼も得しないと…って感じ。
てか、すっげぇ緊張するわ。


手汗とかやばそう。
とりあえず…楽しむ…か。


会えるだけ幸せだ。

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