第4話

仲直り
2,737
2018/11/17 09:46
それから私は帰宅。
あなた

ただいま ~ 。

いつもの様に手を洗ってリビングに入ると
あなた

え!はな!?

はなが椅子に座っているではないか。
あなた

なに、どうしたの!?

お母さん
うちの玄関で座って泣いてるから。
泣いてる…?


あ、亜嵐ね。
あなた

はな、部屋行こ?

コクっと頷いたはな。
階段を登って私の部屋に着くと


急に声を上げて泣き出した。
あなた

え、ちょ、はな!?

はな
どぉじよぉぉぉう ~ !(どうしよう)
あぁぁらぁんんとげんがじちゃったぁぁ。
(亜嵐と喧嘩しちゃった)
あなた

そうみたいだね。

はな
もう…
って私のベッドに倒れ込んでしくしく泣いている。
あなた

なんではなあんなにムキになってたの。

はな
私、ただ嫉妬しただけ…
亜嵐が一年生にLINE交換してて…
それだけは良かったんだけど。
告られたら付き合うって…!
そんな軽い人じゃないもん。


って起き上がって言う。


確かにそうだけど…
はなの目にはまた涙が徐々に溜まり始めた。
あなた

大丈夫、大丈夫。

はなの背中をトントンしてあげた。


そしたら、ありがとう って笑った。
はな
ほんとごめんね。
私、一人で帰ってきたらなんか
モヤモヤしちゃって…
あなた

いつでも来ていいから。
亜嵐と仲直りしてよ。

はな
でも、亜嵐が望んでない。
あなた

そんなのわかんないじゃん。

はな
あなたも…一緒に来て…?
その上目遣い。


ちくしょ ~ 。


許してしまうのが私の弱さ。
あなた

分かった、分かった。

そう言うと安心したのかはなは優しい顔に。
ん ~ 、はなの気持ちが知れたあとで


第1問題は通過したけど…


亜嵐…がね。
はなは昨日私の家に泊まって一緒に行く。
あなた

はな ~ !行こ!!

はな
は ~ い!
お世話になりました って頭を下げるはな。


いつでも来てね。ってお母さん。
いつもと変わらないはなになって一安心。
学校の校門を抜けると
向こうの方に友達と来ている亜嵐を見つけた。
はな
あ…
はなも気づいたのか私の背中に身を潜めた。
あなた

大丈夫だって。
ほら、いくよ?

はな
うん…
はなの腕を掴んで亜嵐の元に。
私の存在に気づいた亜嵐は あ!っていつもの顔。


おはよ ~ 、って言おうとしたら


私の後ろからはなが出てきて微妙な顔。
亜嵐
なに、あなた。
あなた

仲直りして欲しいなって。

亜嵐
いや、無理。
あなた

なんで?
はなも昨日反省してたよ。

亜嵐
てか、意味わかんねぇ。
はなにあんなに拒絶されんだ。
はな
あれは…!!
と、はなが大きな声で言った。
はな
あれは…ただ…その…
頑張れ。


あとすこし。
はな
あ、あ、亜嵐が変な道に行かないように?
ちゃんとした恋愛して欲しいなぁ…なんて…
やらかした って顔して私を見る。
けど、亜嵐はなかなか話さない。
あなた

亜嵐…?

亜嵐
ごめん、はながそうやって
思ってくれていたならごめん。
俺勘違いしてたわ。
はな
う、うん…
お、順調…?
亜嵐
けど…
はな
はなの目が強ばる。
亜嵐
俺だけカフェに
連れて行ってくれなかったじゃん…
って亜嵐の顔がしゅんとした。
その瞬間、はなと亜嵐の間にあった


ずっと繋がっていた糸がもう一度張り直した。


ピン…


はなの顔はどんどん笑顔になって
はな
そんなの今度行こうよ。
亜嵐
ほんとに!?
はな
うん。あなたと昨日は行ってない…
亜嵐
え、そうなの?
あなた

はなちゃんったら泣いちゃってね…笑

そしたら、はなは私の顔の前で


両手を振って口止めをしているのか必死だ。
亜嵐
泣かせてならごめん。
亜嵐ははなをちゃんと見て言う。
その時、はなの顔は赤く染った。
はな
うん、私こそごめん。
亜嵐
また、一緒に行動しような。
はい、解決。


やっぱ私って天才なのかもしれない。


人の心を繋ぎ直すことが出来る能力を持ってるわ。
あなた

あの、私の事忘れないでね?

はな
そんなのもちろんだよ!
あなたにはほんとに感謝してる!
してもしきれない!
私の両手を掴んで必死になって言う。
あなた

はいはい…笑

亜嵐
ありがとな。
ニカッと笑った亜嵐。


くそ。


イケメンかよ。
あなた

なら、私に二人でなにか奢ってね。

亜嵐
じゃ、はな行こうぜ。
はな
は ~ い!
こらこら、なんでそういう時だけ協力的になるんだ?
ま、そんな二人が大好きだけどね。
二人につれて私も玄関に入った時。
まぁ、いつもの光景なんだけど。


一つだけ気になるの。
玲於
先輩、おはようございます。
隣であの…サノ…?って人が私に挨拶してきた。


私より身長は高くて…
あなた

おはよう…?

玲於
名前覚えてますか?
あなた

あ ~ んと、サノ…レ…?

玲於
お。
佐野玲於です。
あなた

あ ~ 、そうそう。

忘れないでくださいよ って下向き加減で


微笑む彼の横顔は高校生には見えなかった。
玲於
先輩の名前聞いてないんですけど。
と、急に真顔になるし。
あなた

あ、そうだったね。
私は新川あなた。

玲於
あなたさん…
あなた

う…ん。

なんか…微妙だ。


この人の周りにはちょっとしたフィルターが


貼ってあって頑丈だと思う。


なかなか、本性が見えてこない。
玲於
あなたさんって呼びます!
あなた

どうぞ…笑

急に笑顔になるからもうついてけない…


喜怒哀楽のハッキリしてそうな子。
玲於
あなたさんは俺の事 玲於 で。
あなた

はいはい。

玲於
じゃ。
じゃ。


って玲於の口癖なのか。


会ったら必ず聞く気がする。
あなた

じゃあね。

はな
あなた何してんの?
あなた

あ ~ 、ごめん!今行く!

何してんだろ。


私。


早く行かなきゃ。
人をかき分けてはなたちのもとに行った。
亜嵐
誰と話してたの?
あなた

あ ~ 、ん …

前を見た時玲於の後ろ姿だった。


真ん前。


人混みに押し潰されそうな状況の中何故か


玲於を見つけてしまった。


くそ…


頭に玲於の顔がちゃんとインプットされちゃった…
あなた

何も無いよ?

何故か 後輩と話してた とは言わなかった。

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