第6話

コレオの記憶💙
563
2021/01/10 12:00
 ポジション評価の曲選びの日が来た。みんなはどうするんだろう?もちろん僕は変えるつもりはないし、蓮君と戦いたい。

 そう考えている間に曲選択はどんどん進んだ。僕たちはやっぱり同じ曲を選択した。かつ君はすごく悩んでいるようだった。潤君がいるからどうしても票数が延びないことも分かっていたと思う。それでもそこを選んだってところはかつ君の強い芯みたいなものを感じた気がする。

 僕はやっぱりHIGHLIGHT2班になった。メンバーも変わっていない。一回振り付けが出来たんだから簡単に振りがつけれると思ってた。だけど、思い出せない。記憶にロックかかったように振り付けの記憶がすっぽ抜けてる。なんだこれ、なんなんだ?
佐野文哉
本田くん、ごめん、相談のってもらっても良い?
本田康祐
佐野、振り付けの事か?ごめんちょっと離れるわー
 本田くんもどうなのか聞きたかった。本田くんもすぐに察してあの頃のようにダンサー同士の振りの確認のように言ってその場を離れた。人気のない場所まで行くと…
本田康祐
文哉も?
佐野文哉
ってことは本田くんも抜けてる?振り
本田康祐
うん、なんか前の振り覚えてるはずなのに全然思い出せなくて、最初につけた振りっぽいのが出てきてる気がする
佐野文哉
僕たちは単に戻って来ただけじゃないようだね。ちょっと思ってたんだ、再評価の時、僕たちの経験値があればAになっておかしくなかったはずなのに
本田康祐
確かにな
佐野文哉
結局なにか元の結果になるようなレールにのせられているような気がしてきた
本田康祐
じゃあなんで俺たちは戻されたんだ?
佐野文哉
そうなるよね、ほんとなんで僕たちを呼んだんだろう
本田康祐
やっぱり俺は勝が心配だわ
佐野文哉
でも、本田くんとはほぼ接点なかったし
本田康祐
わかってる、だから文哉、センター落ちの時にフォロー頼むわ
佐野文哉
え、あぁ、そうだったね
本田康祐
たぶん、別の悔しさとも戦うことになるから
佐野文哉
別の?
本田康祐
俺の記憶だと、秀太にべったりだったよ、アイツ
佐野文哉
あぁ、そういうこと
本田康祐
勝はきっと悔しさより寂しさに負けかねないから
佐野文哉
了解、様子は見ておくよ。あ、そろそろ戻ろうか。
 視界の先には瑠姫がこっちに向かって歩いてきていた。
佐野文哉
ありがとう、なんとか出来そうな気がしてきたよ
本田康祐
ん?あぁ、ならよかった
佐野文哉
蓮くんに負けないから
本田康祐
俺も1班に勝ちに行くよ
 僕たちはグータッチをして別れた。まぁ、僕は勝てないんだけどね。でも、頑張らなくちゃ。勝てなくても、僕を敵にまわしたことを後悔させなきゃ行けないんだから。

プリ小説オーディオドラマ