ポジション評価の曲選びの日が来た。みんなはどうするんだろう?もちろん僕は変えるつもりはないし、蓮君と戦いたい。
そう考えている間に曲選択はどんどん進んだ。僕たちはやっぱり同じ曲を選択した。かつ君はすごく悩んでいるようだった。潤君がいるからどうしても票数が延びないことも分かっていたと思う。それでもそこを選んだってところはかつ君の強い芯みたいなものを感じた気がする。
僕はやっぱりHIGHLIGHT2班になった。メンバーも変わっていない。一回振り付けが出来たんだから簡単に振りがつけれると思ってた。だけど、思い出せない。記憶にロックかかったように振り付けの記憶がすっぽ抜けてる。なんだこれ、なんなんだ?
本田くんもどうなのか聞きたかった。本田くんもすぐに察してあの頃のようにダンサー同士の振りの確認のように言ってその場を離れた。人気のない場所まで行くと…
視界の先には瑠姫がこっちに向かって歩いてきていた。
僕たちはグータッチをして別れた。まぁ、僕は勝てないんだけどね。でも、頑張らなくちゃ。勝てなくても、僕を敵にまわしたことを後悔させなきゃ行けないんだから。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。