第71話

嫉妬
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2020/12/28 14:58
澤村  side





この胸のザワつきは____________

さっきの黒尾の言葉が原因だ





あなたにこの気持ちを知られたら、どう思われるだろうか……








澤村「あ"ぁーーーーーー!」


菅原「どうした!大地!?」


突然叫んだ俺にスガと旭が驚いてこっちを見る





胸のザワつきを吹っ切りたくて思わず叫んでしまった





澤村「いや…ちょっと……スマン…」


菅原「何だ何だ?大地が壊れた〜!」


東峰「負けっぱなしの現実におかしくなったのか?確かに……最後の最後までペナルティだったもんな……こんなんで、春高一次予選……」


菅原「うわ〜出たー!再び登場……ネガティブ ヒゲーーッ!!」


スガが旭の脇腹にチョップを喰らわす。旭が苦痛に顔を歪める



東峰「ちょっ……!?
ま〜…よくわかんね〜けど……守りに入らず、強気で行くぞ、大地!!」


脇腹を押さえながら、涙目の旭が顔を上げる






澤村「(あぁ、そうだ…
バレーも、バレー以外の全てにおいても!
今更、グダグダ悩まない!守りには入らない!!)」

















「____________じゃあ、またな」



「おう、また」





夏休み合宿遠征、全日程終了!








一週間共に励んだライバル達と暫しの別れの挨拶を交わして、俺達はマイクロバスに乗り込み宮城への帰路に就く





バスに乗り込みあなたにメールを送る


『駅まで黒尾が送ってくれたんだって?
黒尾が一緒だったとは思わなかったから
ちょっと気になって…』





あなたに呆れられるかもしれない____________


そう考えながらも、このザワつく気持ちをそのままあなたにぶつける





澤村「(____________俺、カッコ悪いな……)」


メールを送ってから少しだけ後悔した





あなたからはすぐに返事が来た
 

『どうしたの?前にも話した通り、クロはただの幼馴染だよ!研磨もね!
確かに、駅までクロが送ってくれたけど…
わざわざ言う事でもないかなって思ってた
ゴメン。嫌な気分にさせた?

っていうかもしかして大地、嫉妬してくれたの……?』








澤村「(あぁ、そうだ____________
この胸のザワつきの正体が何かなんて、もう分かってる………)」





____________嫉妬、だ……





でも『クロはただの幼馴染』あなたからそう言われれば胸のザワつきは一気に治まっていく





澤村『スマン!嫉妬なんて、みっともないな』 


自分の気持ちを認めた途端、恥ずかしくなった



あなた『ううん…大地、あんまりそういう事言わないからちょっとビックリしたけど…
嫉妬してくれたの嬉しいよ…』


あなたからのメッセージをぼんやりと眺める





澤村「(何故だろう……)」


あなたがスガや旭と二人きりで話していても別に気にならないのに……



何で今日はこんなに気になったんだ?





バスに揺られながらそんな事をボンヤリ考えていたら、いつの間にか睡魔に襲われていた















あなた side





大地からのメールは……

『駅まで黒尾が送ってくれたんだって?
黒尾が一緒だったとは思わなかったから
ちょっと気になって…』



あなた「(大地どうしたんだろう?)」



普段とは違う雰囲気のメールの内容に、少し違和感を感じる





あなた「(____________、これって……もしかして…?!)」



すぐに返信のメールを送る

『どうしたの?前にも話した通り
クロはただの幼馴染だよ!____________

っていうかもしかして大地、嫉妬してくれたの……?』



大地からもすぐに返事が来た


澤村『スマン!嫉妬なんて、みっともないな』 








あなた「(大地も嫉妬とかしてくれるんだ………)」


 


ちょっと意外だった


今まで私がスガくんや東峰くん…
誰かと二人きりで話をしていても何も言ってくる事はなかったから………





そうだ……

過去を思い出して懐かしがってる場合じゃない





"今の私"が好きになった人は



____________大地



大地の事を…この恋を大切にしなくては……

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