第44話

研磨!
2,057
2021/02/25 11:02
5月6日 AM8時50分____________





____________烏野総合運動公園 球技場





今日は大地曰く、〈猫対烏!ゴミ捨て場の決戦!!〉の日!



私はスガくんファンの奈緒を誘ってこの練習試合を観に来た










あ〜!!いる!いる!!





あなた「奈緒〜!!早く早く!」





バスを降りると、球技場前の広場でちょうど大地がチームの皆に声をかけているのが聞こえる





「挨拶!お願いしアース!!」



まさに運動部男子って感じの挨拶





相手チームは赤いジャージ 



顔は……ここからだと、ちょうど烏野メンバーと重なっていてよく見えない








ワクワクして早やる気持ちを抑えつつ、ゆっくり歩く奈緒を急かす



その背中を押しながら建物の入口へと向かう











?「研磨!」






__________________、えっ……!?



心臓がドクンと大きく脈打つのを感じた。思わず足が止まる





奈緒「____________、あなた…?」


突然立ち止まった私を、奈緒が不思議そうな顔をして振り返る





あなた「あ、ゴメン」



空耳……だよね





一瞬止めた足を再び動かして、歩き出す










__________________いや……、違う





聞き間違えるわけがない



あの頃、毎日のように一緒に過ごした大切な人



とても懐かしい名前……










あなた「____________研磨…」


口の中で呟く。目を閉じれば、その姿が瞼の裏に鮮明に蘇る





胸の奥がギューっと締め付けられる。と同時に
体の中を一気に風が吹き抜けて行く感覚…





胸の一番奥がくすぐったい





__________________幼い頃の甘酸っぱい記憶が蘇る










会いたい____________。……どこにいるの?





歩く歩調が自然と早くなる










あなた「_____________、あ!…見つけた…」





ずっと探していた宝物を見つけたように、思わず頬が緩む





1年生問題児の一人、日向くんと向き合って何か喋っている人…





髪の色は変わっているけど……





相変わらず猫背で、話す相手とは目を合わせようとしない





明らかに挙動不審





昔と変わらない……





__________________人見知り











あなた「研磨!!」










気が付いたら私は……研磨に抱き付いていた

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