5月6日 AM8時50分____________
____________烏野総合運動公園 球技場
今日は大地曰く、〈猫対烏!ゴミ捨て場の決戦!!〉の日!
私はスガくんファンの奈緒を誘ってこの練習試合を観に来た
あ〜!!いる!いる!!
あなた「奈緒〜!!早く早く!」
バスを降りると、球技場前の広場でちょうど大地がチームの皆に声をかけているのが聞こえる
「挨拶!お願いしアース!!」
まさに運動部男子って感じの挨拶
相手チームは赤いジャージ
顔は……ここからだと、ちょうど烏野メンバーと重なっていてよく見えない
ワクワクして早やる気持ちを抑えつつ、ゆっくり歩く奈緒を急かす
その背中を押しながら建物の入口へと向かう
?「研磨!」
__________________、えっ……!?
心臓がドクンと大きく脈打つのを感じた。思わず足が止まる
奈緒「____________、あなた…?」
突然立ち止まった私を、奈緒が不思議そうな顔をして振り返る
あなた「あ、ゴメン」
空耳……だよね
一瞬止めた足を再び動かして、歩き出す
__________________いや……、違う
聞き間違えるわけがない
あの頃、毎日のように一緒に過ごした大切な人
とても懐かしい名前……
あなた「____________研磨…」
口の中で呟く。目を閉じれば、その姿が瞼の裏に鮮明に蘇る
胸の奥がギューっと締め付けられる。と同時に
体の中を一気に風が吹き抜けて行く感覚…
胸の一番奥がくすぐったい
__________________幼い頃の甘酸っぱい記憶が蘇る
会いたい____________。……どこにいるの?
歩く歩調が自然と早くなる
あなた「_____________、あ!…見つけた…」
ずっと探していた宝物を見つけたように、思わず頬が緩む
1年生問題児の一人、日向くんと向き合って何か喋っている人…
髪の色は変わっているけど……
相変わらず猫背で、話す相手とは目を合わせようとしない
明らかに挙動不審
昔と変わらない……
__________________人見知り
あなた「研磨!!」
気が付いたら私は……研磨に抱き付いていた
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!