第32話

修学旅行①
1,703
2020/12/26 14:46
あなた「北海道と言えば!?」


奈緒「ラーメン!」
花蓮「スープカレー!」
葵「焼きモロコシ!」



あなた「え〜食べ物ばっかじゃん!!
"函館の景色"とか"富良野のラベンダー畑"とかないの?」





夏休みが明け、私達2年生には、もうすぐ"修学旅行"という待ちに待ったイベントがやってくる



その中でも皆が一番楽しみにしているのが……



自由行動だ!










花蓮「ねぇねぇ、それより!自由行動の日、男子に声かける?
あなたは澤村くんに決定でしょ?!」





休み時間になった途端に私の机の周りに集まり、早速修学旅行の話になる





奈緒「私、菅原くんと周りたいんだけど……
花蓮は土屋くんに声かける?」


奈緒がサラリと口にした



あなた「えっっ!!?奈緒、スガくんの事好きなの?!」

 
思わず声が大きくなる



奈緒はそんな事は全く気にしない素振りで話を続ける





奈緒「んー?好きって言うか……私、菅原ファン!かな………」


葵「菅原ファン?何、それ……?!」


葵は眉間にシワを寄せて不思議そうな顔をして、奈緒の顔を覗き込む



奈緒「う〜ん…好きだけど、付き合いたいとかじゃなくて………
"うん!今日も爽やかだな〜"って近くで見ていられればそれで満足!かな……
だから"友達"として仲良くなれれば良いかな〜
葵は彼氏とでしょ?」


奈緒は、視線を右上へ向けながら答える



花蓮「へ〜………
"好き"にも色んな形があるね………」


花蓮が、少し離れた席で友達と戯れ合うスガくんを眺めながら呟く





奈緒「だから、私は菅原くんに声かけようかな〜
花蓮も、土屋くんに声かけてみなよ」


そんな事を言われて花蓮がバッと私達の方へ視線を戻し、一気に顔を赤くする



花蓮「えっ!?ムリムリムリ!!
私からはムリ………
私達とグループで一緒に周るって事で
澤村くん経由でお願いしてもらえないかな?
あなたから澤村くんに言ってよ!ねっ!ねっ!」



顔の前で両手を合わせ、お願いされた





友達の幸せの為に私にできる事は、もちろん協力したい!





あなた「うん。大地に話してみるね!」





私は笑顔で快諾した















菅原、東峰「「じゃあな〜、大地。藤原さん」」


澤村「おう!また明日〜」
あなた「うん!じゃあね〜」





いつもの帰り道、坂ノ下商店を過ぎた所でスガくんと東峰くんと別れる









澤村「あなた達、修学旅行の班別行動決まった?俺ら全然決まんないわー」


あなた「ん〜?班別行動は、何となく決まったよ。次の日の自由行動、一緒に周りたいんだけど……どうかな?」





歩きながら、自然と修学旅行の話になる





澤村「あー、うん。俺も"一緒に周れたらなー"って思ってたよ」


あなた「そっか!あのね、奈緒がスガくんと周りたいって
あと、土屋くんも一緒にどうかな?
大地から二人に話してみてくれない?」


大地の横顔を見上げて、反応を伺う





澤村「えっ!?早乙女、スガの事好きなのか?!」



驚いた表情をした大地が急に立ち止まる



急に立ち止まるから…私はそのまま数歩先に歩いてしまい、繋いでいた手が離れてしまった





あなた「いや、奈緒はスガくんファンなんだって
"付き合いたい"とかじゃなくて、近くで見ていられればそれで良いんだって
"好き"にも色々あるんだね〜」



2、3歩戻り「大地…」と右手を出して、再び手を繋いで歩き出す






澤村「へぇ〜…あ、じゃあ飛行機の座席スガに替わってもらう?
そしたらあなたと俺が隣同士で、早乙女とスガが隣同士になるぞ」



少し頬を赤く染めて、大地が私の顔を覗き込んできた










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