第61話

お年頃
1,517
2020/12/28 06:26

黒尾「いや…あん時は……あなたは何も悪くねぇよ。アレは…あん時は…
あー…アレは、そうだよ!そういう時期だったんだよ!!何っつーか
"女子と喋ってんのがカッコワリー"みたいな」


言いながらあなたから目線を外してしまった



あなた「…………は?」



少し低めのその声に、あなたの様子をチラリと伺う………





あ____________、ヤバイ……


あなたの顔が固まっている。
次の瞬間、一気に眉間にシワが寄り怒りの表情に変わる。と同時に捲し立てられた



あなた「何?それ?!私、あの頃、結構悩んだんだよ!結構?イヤ!かなり、そう
か、な、り!!悩んだんだよ!なのに、理由ってそんななの?!」


黒尾「イヤ、だから!!
あなたは何も悪くねぇって言っただろうが!
悪かったよ!悪かった!俺が悪かったんだよ!!
でも、あんだよ男子には!そーゆー"お年頃"が!」


あなた「………………」



あなたは口を閉ざしてしまった





今の話はとっさに口を突いて出た話だ。まぁ、あながち嘘でもねぇけど……



本当の理由は別にある
まぁ、本当の理由も"お年頃"と大して変わんねぇくらい、今となっては下らない理由なんだけど……





____________マズイ、、流石に怒るよな……





黒尾「あなた…?お嬢さ〜ん……
な〜…悪かったってば。マジで……今更だけど、謝っから…」


少し屈みながらあなたの顔を覗き込む


黒尾「あなた〜?なぁ、悪かった。どうしたら許してもらえる?」





ヤッベ〜な…これ多分、マジで怒ってんだろ………



あなたは俺の顔を一度チラ見しただけで、無言のまま表情も変えない





黒尾「あ、おい。ちょっ……待てよ!」


無言のまま歩き出したあなたの後を追う様に、俺も歩きだす








「「………」」



再び無言の時間が流れる。気まずい……が、仕方がない。これは自業自得だ








暫く無言のまま歩いていたあなたが突然口を開く


あなた「______ま、クロの事を傷付けたんじゃなかったのなら良かったかな……
うん……ヨシ!許そう!!
って事で、そこのコンビニでハーゲンダッツ奢ってね〜!それで"仲直り!"ね、クロ!」


ふわっと笑いながらあなたが俺に向かって振り返った





黒尾「(____________、ッ!……違うだろ。傷付いたのはあなたで、俺がお前を……)」





イヤ…、____________あぁ、そうだ……あなたは昔からこういうヤツだった
お人好しっつーか、自分が傷つく事よりも他人の事ばっか心配してるんだ……





____________何だよ。…全然、変わってねぇのな……










しかも……この笑顔





俺が何度も何度も"会いたい"そう思った笑顔だ










こんなの……反則だろ……//

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