黒尾「いや…あん時は……あなたは何も悪くねぇよ。アレは…あん時は…
あー…アレは、そうだよ!そういう時期だったんだよ!!何っつーか
"女子と喋ってんのがカッコワリー"みたいな」
言いながらあなたから目線を外してしまった
あなた「…………は?」
少し低めのその声に、あなたの様子をチラリと伺う………
あ____________、ヤバイ……
あなたの顔が固まっている。
次の瞬間、一気に眉間にシワが寄り怒りの表情に変わる。と同時に捲し立てられた
あなた「何?それ?!私、あの頃、結構悩んだんだよ!結構?イヤ!かなり、そう
か、な、り!!悩んだんだよ!なのに、理由ってそんななの?!」
黒尾「イヤ、だから!!
あなたは何も悪くねぇって言っただろうが!
悪かったよ!悪かった!俺が悪かったんだよ!!
でも、あんだよ男子には!そーゆー"お年頃"が!」
あなた「………………」
あなたは口を閉ざしてしまった
今の話はとっさに口を突いて出た話だ。まぁ、あながち嘘でもねぇけど……
本当の理由は別にある
まぁ、本当の理由も"お年頃"と大して変わんねぇくらい、今となっては下らない理由なんだけど……
____________マズイ、、流石に怒るよな……
黒尾「あなた…?お嬢さ〜ん……
な〜…悪かったってば。マジで……今更だけど、謝っから…」
少し屈みながらあなたの顔を覗き込む
黒尾「あなた〜?なぁ、悪かった。どうしたら許してもらえる?」
ヤッベ〜な…これ多分、マジで怒ってんだろ………
あなたは俺の顔を一度チラ見しただけで、無言のまま表情も変えない
黒尾「あ、おい。ちょっ……待てよ!」
無言のまま歩き出したあなたの後を追う様に、俺も歩きだす
「「………」」
再び無言の時間が流れる。気まずい……が、仕方がない。これは自業自得だ
暫く無言のまま歩いていたあなたが突然口を開く
あなた「______ま、クロの事を傷付けたんじゃなかったのなら良かったかな……
うん……ヨシ!許そう!!
って事で、そこのコンビニでハーゲンダッツ奢ってね〜!それで"仲直り!"ね、クロ!」
ふわっと笑いながらあなたが俺に向かって振り返った
黒尾「(____________、ッ!……違うだろ。傷付いたのはあなたで、俺がお前を……)」
イヤ…、____________あぁ、そうだ……あなたは昔からこういうヤツだった
お人好しっつーか、自分が傷つく事よりも他人の事ばっか心配してるんだ……
____________何だよ。…全然、変わってねぇのな……
しかも……この笑顔
俺が何度も何度も"会いたい"そう思った笑顔だ
こんなの……反則だろ……//
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!