【日曜日、10時】
____________坂ノ下商店
私はかなり強引にお願いをして、澤村くんに勉強を教えてもらえる事になった
烏野の生徒なら誰もが知ってる坂ノ下商店で待ち合わせをして、駅前の本屋さんに寄る
参考書を購入して澤村くんの家へ向かう
澤村「古文を読み解くには、まずいくつかのルールがあるんだ。まずはそのルールを覚えて____________。あとは単語も覚えなきゃダメだな
藤原さんは、今まできちんと習ってないから
出来ないだけだと思うんだ。基礎からやっていけば、きっと大丈夫だから!」
ニコッと笑って澤村くんが顔の前で拳を握る
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澤村「これは、この単語の意味が……」
あなた「じゃあ、この答えは………こう?」
あ…なんか、わかるかも………
澤村くんは基礎的な事からとても丁寧に教えてくれた
澤村くんのお陰で、自分でも驚くほど問題は解けていく____________。
そのまま暫く集中してしまっていた
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澤村「藤原さんって、古文、漢文以外の教科はどうなの?
アメリカに住んでいたってことは、英語は得意だろ?」
突然話しかけられて、問題を解く手を止めて顔を上げる
あなた「…うん、英語は普通に話せるよ。
でも帰国子女って今時、珍しくもないでしょ?
数学とか物理は、父親が得意でよく勉強教えてもらっていたから好き!
世界史はアメリカの学校でも授業あったから
まぁ、普通に解る……かな
日本史は好き!特に戦国時代!戦国武将が好き!!
子供の頃、近所に住んでた幼馴染がゲーマーでね。色んなゲームで遊んだんだけど、そのうち私が戦国ゲームにハマってね…そのゲームで覚えた〜!」
そんな話をしながらふと昔の幼馴染を思い出した
人見知りでゲーム好きの研磨……
変な寝方をしているせいで、いつもトサカ頭になっているクロ……
懐かしいな。二人とも元気かな……
そういえばクロ、バレー大好きだったな
二人を思い出したのは……いつぶりだろう?随分久しぶりかも
クロを思い出した時、胸の奥がチクッとした………
胸の奥の痛みを気にしないように話を続ける
あなた「澤村くんはバレー部だよね。バレー楽しい?」
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澤村「烏野がさ、春高で全国行ったのを観た時から"高校は烏野"って決めてたんだ!」
あなた「へえ〜…。烏野ってバレー強いんだ?ごめんね、知らなくて……」
澤村「いやいやいや……。別にそんな事、知らなくてもいい事だし。バレー強かったのは昔の話で………
でも、俺は_________全国に行く!」
「バレー部の事はよく知らなかった」と言う私に、澤村くんは少し照れながら色々話をしてくれた
でも、次の瞬間には全く違う顔付きになって____________「全国に行く!」って……
その、熱のこもった真剣な表情に
ドキリと心臓が跳ねた………
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。