____________で、…
ナンデ コウナッタ____________?
あれは……………
2時間程前の出来事を思い返す
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俺の家を出た後、俺とあなたは他愛もない話をしながら駅まで辿り着いた
あなた「もうここまでで良いよ!クロは明日、部活でしょ?
ここから電車に乗っちゃえば、後は乗り換えだけだから一人で大丈夫だよ!」
俺の手から、土産が入った紙袋を受け取ろうとあなたが手を伸ばしてくる
黒尾「今日は練習してねぇから、体力有り余ってるし!だから、東京駅まで送ります〜
あなたは、素直に送られとけば良いんだよ!」
あなたが伸ばした手をヒョイっとかわして改札口へ向かって歩く
なんか昨日も
「一人で大丈夫」だの「迎えに行く」だのやりあったよな……
つい昨日の電話とデジャブるような会話が始まる
あなた「だってクロ「俺は部活と受験の両立なんだ」って言ってたじゃん。もう帰って休みなよ
あとは一人で帰れるから」
黒尾「一応、大事な幼馴染をこんな時間に1人で歩かせらんねぇの
……だから、送るってば。ほら、電車来んぞ。行くぞ」
あなた「へぇ〜…。大事な幼馴染なんだ…」
俺が口に出した言葉をあなたがニコニコしながら、こっちを見上げて繰り返す
____________何だよ…そこ拾うのかよ……
まぁ、"大事な"は俺の正直な気持ち
"幼馴染"は……………
黒尾「あ〜… いいから、ほら!」
改札口を抜けて、目的のホームへ階段を降りようとした時____________
?「こんな時間に出掛けるの…?クロ
____________と、あなた?」
____________、?!
俺達の名前を呼んだのは………
黒尾、あなた「「____________、研磨?!」」
あなた「研磨〜〜〜!!」
あなたが嬉しそうに研磨に駆け寄って行く
あなた「毎日遅くまで練習してると思ってたから、まさか会えるなんて思わなかった!
ビックリした!!でも会えて嬉しい!」
研磨「毎日遅くまで練習してるなんてよく知ってるね、あなた……クロに聞いたの?」
____________、ちょっ…!?オイオイオイ……
コイツ……ぶっ込んだ質問しやがるな…
その質問に答えたら「俺達、連絡取り合ってました〜」って言ってんのと同じじゃねーか
黒尾「お前ね!そういう言い方止めなさいよ…
研磨こそ、今日の練習は体育館に点検が入る都合で夕方までだったでしょうが!
何でこんな時間に出歩いてんだよ」
話題を逸らすように、俺から研磨に違う話題で話し掛ける
研磨「練習が終わって家でゲームして…
やってたゲームクリアしちゃったから、新しいゲーム、何か面白いヤツがないか探しに出掛けて…
でも、面白そうなの見付けられなかった…」
あなた「相変わらず、研磨はゲーマーだね!」
研磨「で……クロとあなたは…?何でこんな所で一緒にいるの?」
____________あ…研磨のヤツ、話戻しやがった…
あなた「あぁ…えっとね…
今日大学のオープンキャンパス行って来たの、クロと一緒に!それd………」
黒尾「それで、今からあなたは帰るとこです〜
ほら、行くぞあなた!じゃあな、研磨!」
あなたが話し続けようとするのを俺が遮ってその腕を掴み、ホームへ下りる階段へと向かう
研磨「……帰るなら、東京駅…だよね?
……俺も行く……」
黒尾「____________、はぁ〜〜〜?!」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!