第48話

血液
1,859
2020/12/28 05:10
あなた「(____________っ……凄い!!)」





"上手!"とか"しなやか!"っていうのは素人の私でもわかる





烏野がバシッと決めたスパイクも音駒は何度も何度も拾う



そしてボールは、セッターの研磨に綺麗に繋がる





「______俺達は血液だ  滞り無く流れろ  酸素を回せ  "脳"が正常に働くために______」





試合前、円陣を組んだ時にクロがチームの皆にかけていた言葉______



耳に入ってきた時には、何言ってるんだろ?って思ったけど、今はその言葉が頭の中で繰り返されている……





音駒のプレーは安定してて、まさに血液が流れるように繋がっていく





熟練感____________、みたいな……









数年ぶりに会ったからだろう……



あの頃よりも大人びた幼馴染を、私の目は追っていた______





昔を思い出す……



子供の頃、クロはバレーが大好きで……研磨を誘っては家の近くの河川敷にネットを張ってよく練習していた


テレビで観た試合の攻撃技を真似するのもよくやってたっけ………



____________、!//…あっ……そう。あの一人時間差……

フフッ______懐かしい…



昔の二人の記憶が、昨日のことのように思い出されて頬が緩む








あれからずっとバレー続けてたんだ……










烏野も、影山くんと日向くんの速攻を中心に攻撃して最初こそリードしていた

けど、音駒の7番くんが徐々に追いつくようになって……日向くんの速攻は止められてしまった





2セット目、先に20点台に乗ったのは音駒……





鵜飼「お前らー!パワーとスピードでガンガン攻めろー!!
今持ってるお前らの武器ありったけで、攻めて攻めて攻めまくれ!!!」


皆の目はギラギラしてて、闘士が漲っている感じ!烏野だって負けない!!








でも……

結局、セットカウント2-0で烏野が負けてしまった





あなた「あ、負けちゃ________」
日向「もう一回!!」




「「「(((____________、!?)))」」」





猫又「おう、そのつもりだ!"もう一回"がありえるのが練習試合だからな」





音駒の監督さんが、日向くんの声に「二シシ」と笑って答えて、また次の試合が始まる______















もう何セット目だろう……





1ゲーム落としても日向くんが「もう一回!!」って言って、またゲームが始まる______















奈緒「ゴメ〜ン、あなた……私、今日は午後から部活あるから。そろそろ帰らなきゃ…」


あなた「あ、そうだよね……うん、帰ろっか」




もう少し見ていたい気もするけれど……





あなた『最後まで応援できなくてゴメンね、帰るね』


コート上で続いている試合を眺めながら、大地にメールを送る





奈緒と私は球技場を後にした______















黒尾 side





黒尾「(なんだ?!あのチビちゃん。ヤル気満々はいいけどよ、体力底無しってヤツですか〜?!)」





結局、烏野とは三試合やった





もちろん俺達、音駒の完全勝利だけどな










気付いた時にはあなたの姿は無くなっていた______





私服だったし、スタンド席から応援してたし……



バレー部のマネ……じゃねぇよな……








そういや試合前、あなたが烏野の主将に呼ばれて二人で何か話し込んでたな……








黒尾「(____________、!まさか……





アイツら付き合ってんのか?!)」

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