黒尾 side
あなた「クロと二人って…実はレアじゃない?えっと…何年ぶりかな?
同じクラスになってからは2人で話すこともあったけど、遊ぶ時はいつも必ず研磨がいたから…」
黒尾「あぁ…そーいやぁ、そうだな…」
空を見上げながら昔を思い出す
あなた「クロ、凄いね!あの頃からバレーずっと続けてきたんだね。この前の練習試合も凄かった!!クロ達のチーム、強いんだね!」
黒尾「ん〜…?まぁね……」
あなた「しかも、あの研磨も続けてるっていうのがまた凄いよね〜!ってか、もうミラクル!あははは…」
黒尾「あ〜?だろ、すげ〜だろ!
しかも、アイツはウチのチームにとって
すっげ〜大事なんだよ
アイツはウチにとって"背骨"で"ノウ"で"心臓"だからな」
あなた「ノウ?______ってbrain?」
黒尾「あぁ……そうだ」
あなた「ふ〜ん…でも…それ、ちょっと分かるかも!
研磨って、頭脳プレーっていうのかな。観察とか分析得意だったし、そこから練り上げる作戦も的確だったよね
でも相変わらずの人見知りでしょ?チームの皆と仲良く出来てるの?」
他愛もない事を話しながら並んで歩く
____________周りから見たら、俺達はどんな風に見えるのだろうか
途中ガラス窓に映る姿を横目で見送りながら、ふとそんな事を考える………
あなた「ねぇ、クロ………」
突然あなたの口調がゆっくりになる
それはまるで、言葉を選ぶように______
あなた「あの時……5年生になってからかな…クロさ、突然私と喋らなくなったよね……
一緒に遊ぼうと思って声掛けても「研磨と遊べば〜」って毎回素っ気なく言われて……
何か話しかけても「あぁ」とか「うん」って返事するだけで…会話にはならなくて……
"嫌われたんだな"って思って、理由考えてみたけど何にも思い当たるモノが無くて………
もう一度クロと仲直りしたかったんだけど、
出来ないままアメリカに行く事になっちゃって………
結局、今も理由は分からないままなんだけど……きっと私が無神経にクロを傷つけちゃったんだよね……?ゴメンね……」
話しながらいつの間にか立ち止まっていた。
お互い向き合う形になる。最後には、あなたは俺の目をしっかり見据えながら「ゴメンね」と口にした
黒尾「(____________、違う!!…悪いのは全部俺だ。あなたは、なにも悪くない)」
それなのに、俺の目を見据えて面と向かって謝ってくるあなたに胸が締め付けられた
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。