第18話

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2018/07/25 15:58
今すぐ聞きたい。あの日からずっと待っていた言葉を。
遊 零 ユウレイ
それは…なんだっけ?
葉山 花火 ハヤマハナビ
え?
遊 零 ユウレイ
思い出せそうなのに思い出せない。
葉山 花火 ハヤマハナビ
どうしてよ!思い出せるでしょ!
遊 零 ユウレイ
なんでお前が怒んだよ。あーもー思い出せそうだったのに忘れた。
葉山 花火 ハヤマハナビ
はぁ?
最悪だ。こんなやつがあの日の男の子だと思ってしまったことが恥ずかしい。絶対に違う。もっと優しかったし、可愛かった。こいつは全くの別人だ。
葉山 花火 ハヤマハナビ
もういい!
私は立ち上がる。そして神社の出口へ向かった。
葉山 花火 ハヤマハナビ
なんなの、信じられない!
口から零への悪口が溢れてくる。
葉山 花火 ハヤマハナビ
もうなんなの!あのクズ!…え
気づけば頬は濡れていて、バックに入れていた鏡で顔を見ると目は腫れぼったくなっていた。
葉山 花火 ハヤマハナビ
なにこれ…はは…笑えるじゃん。
悲しかった。やっと待っていた人に会えたのだと思ったのに。急に幽霊が話しかけてきて、暴言吐かれて、ヨーヨー釣りの特訓をさせられた。
でもー
葉山 花火 ハヤマハナビ
…楽しかった。
あんず飴を買ったとき言い合いになったことも、ヨーヨー釣りの特訓でしごかれたことも、一緒に屋台を見て回ったことも本当に楽しかった。

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