第27話

[夢]告白に失敗する話
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2020/03/13 08:59
※現パロ、キメ軸
※夢主が炭治郎が好き表現あり



「ごめん、君の事はその、そういう目で見れない」

学校のとある静かな場所で、私の一世一代の大告白、見事に失敗しました。

目の前で申し訳なさそうな顔をする男、竈門炭治郎先輩は私の親友である禰豆子ちゃんの1つ上のお兄さんだ。

禰豆子ちゃん経由で知り合って、会って話を交わしていく内に、いつの間にか好きになってしまっていた。

告白に失敗し、灰になっている私の目の前で今も申し訳なさそうな顔をしている彼の、世界まるごと包めそうな程の優しさに惹かれていた。

まぁ、成功する確証なんて殆どと言っていい程なかったんだけど。

「…そうですよね、変な事言っちゃってすみませんでした!この話は忘れてください!」

精一杯の笑顔を作って炭治郎先輩にそう言うと、反対に炭治郎先輩は悲しそうに笑う。

「ああ、本当にごめんな。…これからも禰豆子と仲良くしてやってくれ。」

そういう先輩にぺこ、と一礼し足早にその場を離れる。

教室にたどり着き、自分の席に座る。放課後の教室はやけに静かだった。部活に精を出す生徒の声が、なんだかとても遠くに感じる。

「こんな時間に1人で何してんの」

ハッと教室の入口の方を向けば、炭治郎先輩の友人…我妻先輩がドアからひょっこり顔を出していた。

「あぁ…我妻先輩」

「なんだよその反応」

ムッとしながら私の方に近付く。我妻先輩を見上げると、綺麗な金色の髪が夕陽に照らされてキラキラと光っていた。

「で、どうしたのさ。」

カタン、と音を立てて私の目の前の席に座る。

多分、私の音を聞いたんだろう。少し心配そうな表情をして再度私に問いかける。

「……炭治郎先輩にフラれました。」

自分から出た声だと思えないくらい低くて小さな声。
でも我妻先輩は聴き逃してはくれなかった。

我妻先輩は少し驚いたあと、私の頭を柔く撫でる。

「辛かったねぇ。でもちゃんと自分の気持ちを相手に伝えられた事、俺は凄いと思うよ。頑張ったね。」

撫でられて熱くなった頭からじわじわと目元も熱くなる。
無意識に我慢していた涙が一気に溢れ出てくる。

わんわんと泣く我妻先輩は、机越しから頭を包み込むように私を抱きしめ、背中をトントン、と叩いてくれる。


*

元々炭治郎夢で考えていましたが、「これ我妻ルートもいけんじゃね」ということで、ここでは次回我妻ルートに入ります。

また、炭治郎ルートは新しく作成予定の「君の香りに捕らわれる」で炭治郎ルートの話を作る予定です。こういうの楽しいね。

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