第29話

[夢]リラクシングホリデー
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2020/03/18 05:22
※現パロ
※生理ネタあります注意





「ごめんね、今日の予定潰しちゃって…」

調子はどう?、と言って一人暮らしの私の部屋に勝手知ったる顔で入ってくる彼、善逸くんにベッドの上で寝転がりながら謝る。

『生理痛が酷いからデートに行けない、ごめん』とメッセージアプリで送信すれば、速攻『大丈夫?今からそっち行くから』と言い来てくれた。
3月上旬の日曜日、学校が休みの今日は本来なら善逸くんと海が近い水族館へデートをしに行く予定だったのに、

「謝んないでよあなたちゃん。しょうがないじゃん、俺は全然気にしてないし、水族館ならいつでも行けるでしょ。」

俺はあなたちゃんと一緒に居られればどこだっていいんだ。

にこ、と優しく微笑み、「何かお腹に入れられそう?」と聞きながらエプロンをかける善逸くんは本当に優しい彼氏だな、と改めて思わされる。何から何まで申し訳ない。

無言で頷けば、「ちょっと待っててね」と言ってキッチンに行ってしまう。

さっきまで1人だったのに、空間が善逸くんの温もりを残している所為で一気に寂しくなる。

*

腹部の鉛のような気持ち悪さを抱えながらキッチンに行けば、調理器具を用意する善逸くんがいた。

____なんだか新婚さんみたいだなぁ。

心臓より少し右側の胸をきゅんと高鳴らせていると、善逸くんがこちらに気付いて困った顔をした。

「ちょっとあなたちゃん!安静にしてなって」

「やだ。善逸くんが料理している所みたい。」

すすす、と善逸くんに近づいてぴったりとくっ付くと、少し顔を赤らめる善逸くん。

「そんな近付くと危ないから少しだけ離れてて」

*

「そういえあなたちゃんさ、さっき俺の事見てて何て思ったの?」

「え?」

慣れた手つきで卵を割り溶きながら善逸くんがそう聞いてきた。多分、私の音を聴いていたんだろう。

目線は手元を見ている。

「…新婚さんみたいだなって、思った。」

ぽそ、とすごく小さな声で言うと顔を真っ赤に染める善逸くん。

「っ本当さ…。」

こちらを見たかと思えばまた手元に視線を戻す。

「もうあなたちゃんいると集中できないから寝てて」

突っぱねるようにそう言われるが、まだ熱が冷めきってない赤い顔をして言われると、なんだか可愛くてそうしてあげたくなってしまうな。

私は大人しくベッドに戻る。
先程まで鬱陶しかった腹部の気持ち悪さは、いつの間にか無くなっていた。



*

続きます。
作者がなうで生理痛と戦ってるんでちょっと書いちゃいました

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