第18話

[彼]運命は自分で決める話 3
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2020/02/28 12:46
※現パロ、大学生になります。





*

「や……った…!」

合格、とデカデカと書いてある通知書を握りしめる。

やった、やったよあなたちゃん。
俺、あなたちゃんと同じ大学に通うよ。
学科は違うけれど。
春からも同じ大学だよ。

そう抱きしめながら伝えたかった。

けれど微妙な時間が空いてしまった今、
あなたちゃんを抱きしめるには距離が遠すぎてしまった。

「…あなたちゃん…。」

*


「う、わ…ここが東京か」

大きなドームを見上げる。
ここが入学式場らしい。

あなたちゃんはもういるのかな。
席隣だといいな…なんて考えるが、新入生は1000人越え。どんな確率だよ、と自分で自分に現実を突き出す。

「はい、新入生の方はここに座ってくださいね〜」

そう美人な在校生らしいお姉さんに案内され、指定された席に座ろうとする。

「えっ」

目を疑った。

さっきまでの俺、確率がなんだって?
あなたちゃんが隣の席だぞ。俺1000分の1の確率であなたちゃんの隣引き当てるとかラッキーボーイ過ぎじゃない…?

というか、リクルートスーツ姿のあなたちゃん可愛い…。服装が違うとこうも大人っぽくなるのか。
どうしてもあなたちゃんをガン見してしまう。そのせいか気まずそうにするあなたちゃん。

あぁ入学式早く終われ。
どうしてもあなたちゃんと話したいんだ。

何年も前にやっと掴んだ俺の運命の人。
もう絶対に離したくないんだ。

*

入学式が終わり、ぞろぞろと新入生が帰っていく。
隣を見れば、あなたちゃんが大股で帰ろうとしていた。ちょ、ちょちょっと待ってよ!

手を伸ばした瞬間、あなたちゃんは体制を崩す。あなたちゃんを掴もうとした手は、丁度よく彼女の腕に収まった。

ようやく捕まえた。
口角が上がりそうなのを必死に抑える。

「鈍臭いのは相変わらずなんだね、あなたちゃんは。」

そう喋りかける。

俺とあなたちゃんの2回目の運命の出会いだ。
もう絶対に離れないように、慎重に話さなきゃね。




*

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