※現パロ。大学生になります
※宇髄天元多め。我妻まだあんま出そうにない
(※我妻善逸夢小説です!!!!)
「先生!私ね、芸術大学に行ってみたい…です…」
全校集会の日の午後、校長先生に言われたあの言葉が忘れられなくて、宇髄先生にそう思い切って言ってみる。
「ふ〜ん、…まぁあなたなら大丈夫じゃねぇの」
「なんですかその反応…適当過ぎて不安になる」
薄すぎる反応に私の選択への不安が募る。
私だっていいのか分からない。そんな実力が本当にあるのか、入学したあとは?そんな不安が逐一私の心を不安にさせる。私は今最高にナイーブなのだ。
「そんなことねぇって。俺は信じてるんだぜ?あなたの事。」
あの時のように、宇髄先生は私の頭を撫でてくる。
「あなたは絵の才能がある。なくたってお前なら何とかできるって俺は信じてる。…神の俺がそう言うんだ、あなたは神の言葉は信じられないか?」
…なんだそれ。自分の事を神って。
でも、宇髄先生なりに激励してくれているのかな。心が温かい。
「信じますよ、神様の言葉なら」
クス、と笑ってみる。
宇髄先生は満足気に笑った。
*
「とは言っても芸術大学って山ほどあるが、何処かめぼしい所はあったのか?」
「それが…まだ決まっていないんです」
当たり前だろう。さっき決断したんだから。
とりあえず夏休みまであと1ヶ月はある。
芸術大学のパンフレットを漁ってオープンキャンパスに行く大学を絞らなければ。
「…なぁ、お前。都内には行かねぇのか?」
「都内…ですか?」
パサ、と宇髄先生が置いたそれは、都内の芸術大学のパンフレットだった。
「ここ…名門じゃないですか」
名門中の名門。
芸術系バトルのテレビ番組に出場するような、
海外でも活躍する人がいるような。
そんな天才達が集まる芸術大学だった。
「こんな所…私じゃ無理です」
「やってみねぇと分からねぇだろ?」
私の言葉を遮る宇髄先生。
「それに、俺はあなたなら行けると思ってっけど。」
ドキ、とした。
私なら…?私でも、こんな私でも名門に行けるかも…?
パンフレットの表紙を飾るキャンパス内の写真を見る。こんな素敵な場所で、大学生活を送れたら。
目の前がチカチカする。
『んー、まだふわっとしか決めてないけど地元でいいかなーとは思ってるかな』
「…オープンキャンパスだけ、行ってみようかな…」
*
まだ続きます
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!